【インタビュー】米国デッカーズブランド社「HOKA ONEONE」ウェンディ・ヤン プレジデントが「ホカオネオネ」好調の要因を語る
米国デッカーズブランズ社が展開する「HOKA ONEONE(ホカオネオネ)」が快進撃を続けている。同社の2021年3月期の売上高は過去最高を記録したが、なかでも「ホカオネオネ」は売上げを前期比62.0%増の5億7120万㌦として全社の成長に大きく貢献した。今年4~6月の第1四半期も同95.5%増収と売上げをほぼ倍増させ、7~9月の第2四半期も同47.0%増と驚異的な成長を続けている。デッカーズブランズ社HOKA ONEONEプレジデントのWendy Yang(ウェンディ・ヤン)氏に聞いた。
■COVID-19によるサプライチェーン等への影響について。
重要な点は、コロナのパンデミックはいまだ継続している状況にあり、良い方向に向かっているとはいえ、この冬、デルタ株がグローバルビジネスやサプライチェーンにどのような影響を及ぼすか分かっていません。また、一個人として、この数年の間、大変な思いをしてきた世界中の人々のことを想っています。
それを踏まえ、ビジネスとサプライチェーンの状況をお伝えします。ソーシャルディスタンスを保ちながらできるアクティビティとして、ランニングやアウトドアがフォーカスされ、私たちの産業は大幅な成長を続けています。そして現在、そのようなデマンドの増加と避けられないサプライチェーンの遅延とのバランス問題に業界全体が直面しているはずです。しかし当社は、チームで団結し、ビジネスが潤滑に進むように素晴らしい働きを見せていると思います。
■COVID-19による市場環境の変化について。
昨年の衝撃で、消費者の動向は大幅に変化しました。健康とウェルネスのルーティーンは、特に劇的な変化を迎えたと思っています。行動的な消費者は、ジムやヨガなどの室内活動から、ランニング、ハイキング、サイクリング等のアウトドアアクティビティに移行しました。これは論理的な変化で、私たち自身も体験しているはずです。
ハイキングやランニング関連の売上げや参加率の増加を見ると、これは一時的な流れではなく、今後も続くと思っています。そしてHOKAは、これらアウトドアやランニングを楽しむすべての人たちが素晴らしい体験ができるようにサポートしていきます。
■「ホカオネオネ」の成長とDTCについて。
他と差別化された商品の良さが、HOKAの成長を支えています。そうした意味では、ニューヨークとロサンゼルスに実店舗を構えることができ、非常に喜びを感じています。イベントやキャンペーン等を実施し、HOKAをより身近に感じてもらえるようなスペースが出来上がったからです。こうしたスペースを利用して、コロナ後、消費者は対面できる体験を待ち望んでいるはずです。このようなスペースを利用し、ブランドアンバサダー、エリート選手、製品に精通したスタッフに接することができるような場にしたいと思っています。
そしてアメリカに続き、中国では上海に2カ所、ケリーセンター内と南京路にショップをオープンさせました。さらに10月25日には、IAPMモール内に3店舗目が完成しました。
■フォーカスしていく商品群について。
2022年は、カテゴリー別で邁進していくのではなく、ブランドに焦点を当てていきます。ここ数年、HOKAは目覚ましい成長をしてきました。しかし、それに比較するとブランド認知度は、まだ低いように感じています。2022年は、ここに注力していきます。
HOKAは、パフォーマンスランニングブランドとして知られ、これは私たちの土台です。この土台を踏まえた上で、2022年は新しいラインを加え、新規顧客を獲得していきます。