【アキレスが展開するランニングシューズ「ブルックス」の現在地】――基幹モデルのソフトクッションモデル「Ghost(ゴースト)」シリーズを軸にエリートランナーからファンランナーまでさまざまなランナーの走りを支える

EVAを世界で初めてランニングシューズのミッドソールに採用――最新のGlycerin MAX(グリセリン マックス)にはDNA Tunedフォームを搭載
100年以上の歴史をもつランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」が、ランニングのパフォーマンスシーンはもとより、ライフスタイルシーンでも存在感を増してきている。
1914年、ジョン・ブルックス・ゴールデンバーグ氏が「ブルックス・シューカンパニー」を創設してスタートしたブルックスは、各種スポーツシューズを開発するなか1974年に「Villanova(ヴィラノバ)」(現Vanguard/ヴァンガード)を発売、1977年には「Vantage(ヴァンテージ)」が米国ランニング専門誌のランナーズワールドで最高評価されるなど、ランニングシューズブランドとしての基礎を築いた。
ブルックスは素材、とくにミッドソールの開発が巧みで、1975年にEVA(エチレン・ビニール・アセテート)を世界で初めてクッション材に使用。その後、ランニングシューズの主要素材となって使用が拡がっていく源となった。1989年にはまったく新しいクッションテクノロジーであるハイドロ・フローも開発した。
その後も最新の素材開発に取り組み、2010年に独自のクッション材、ブルックスDNAを発表、さらに2017年にはブルックス史上最高の反発力をもつDNA AMP、2018年にはクッションソールのDNA LOFTの発表へとつなげ、さらに2023年にはハイクッションのDNA LOFT v3を開発し、Glycerin 20(グリセリン 20)に搭載した。

㊧Ghost 17 1万8700円(税込)/7月8日(火)から新発売されたブルックスを代表するランニングモデルの17代目。DNA LOFT v3クッションを搭載。㊨Glycerin 22 2万5300円(税込)/ブルックスのプレミアムランニングモデル。DNA LOFTフォームを進化させた次世代の窒素注入フォーム、DNA Tunedを搭載
そして、2025年10月の先行発売で即完売した「Glycerin MAX(グリセリン マックス)」に初搭載されたのが、DNA Tunedフォーム。DNA LOFTフォームをベースに窒素を注入したもので、2段階の射出成形と超臨界発泡技術により、踵部には接地時の衝撃を吸収する大きな気泡、前足部には力強い蹴り出しをサポートする小さな気泡を挿入している。また、ランニングシューズに初めてGORE-TEX(ゴアテックス)を搭載したのもブルックスだった。
当時、最新のランニングシューズだったVanguardやVantageは、1982年発売の「Chariot(チャリオット)」などとともに、時代の趨勢によりクラシカルなランニングモデルとして、ライフスタイルシューズとして人気を集めていった。
一方、ランニングを日常に普及させるためにブルックスは、1999年に‟RUN HAPPY(ラン ハッピー)”キャンペーンをスタート、走ることが楽しくなるような、安心して走れるランニングシューズを充実させた。そして2024年5月からは、タイムや楽しさなど、さまざまな目的で走るランナーを後押しする‟LET RUN THERE(レット ラン ゼア)”を、ブランドプラットフォームとして打ち出している。
また、アメリカでは、ランニングが好きなランナーが訪れるランニング専門店での販売を重視し、2011年にはランニング専門店での販売シェア1位を獲得、これは10年以上経った現在でもキープしている。
そして日本では2019年4月。アキレスがブルックスの日本市場での独占輸入販売権をもつ伊藤忠商事との間で、シューズの総販売代理店契約を締結し、2020年春夏シーズンから販売を開始した。展開をスタートしたシーズンからコロナ禍に見舞われ、ブランドとしては主力モデルの安定供給に追われたが、アキレスではランナーに対してソフトクッションモデルの「Ghost(ゴースト)」をメイン商材にして、確実な販売を行ってきた。
主力のGhost(ゴースト)シリーズから初めてドロップを10㎜にした「Ghost 17(ゴースト 17)」を発売――ソールをボリュームアップしフィット性も高める
2008年に誕生したGhostは、毎日のランに寄り添う快適さと安定感を追求したソフトクッションのデイリートレーナーとして、世界中のランナーに長年愛されてきた。そのGhostシリーズの最新作である「Ghost 17」が、7月8日(火)に発売となった。
ミッドソールは、液化窒素ガスを混合して臨界発泡させたDNA LOFT v3を、前作よりも前足部で3㎜、後足部で1㎜厚く搭載し、足への負担をさらに軽減。また、ドロップ(後足部と前足部の高低差)は、これまでの12㎜から初めて10㎜(後足部36㎜、前足部26㎜)に設計し、安定性を向上させるとともにスムーズな走りをサポート。さらに、アッパーには新たにダブルジャガードエアメッシュを採用、踵まわりと履き口の設計を見直すことで、フィット感と足首部分のサポート性も向上させている。
ラインアップは、レギュラーモデルに加えメンズにはワイド、スーパーワイド、ウィメンズにはスリムとワイドといったウイズ展開や、ゴアテックスファブリクス搭載モデルを揃えるなど、バリエーション豊かに展開する。

Ghost 17 1万8700円(税込)/基幹モデルの17代目が7月8日から発売された。㊤㊧メンズのBLK/W(ブラック/ホワイト)、㊤㊨同SN(サンド)。㊦㊧ウィメンズのNB(ネイビー)、㊦㊨同GRYPP(グレーパープル)
次世代開発チームの「BlueLine Lab(ブルーライン ラボ)」によりエリートランナー向けのシューズ開発にも注力――Hyperion Eleet(ハイペリオン エリート)が箱根駅伝や五輪、世界陸上などで使用される
楽しく走れるモデル開発を継続するなかで強化してきたのが、‟速く走れる”シューズの開発。ブルックスは、BlueLine Lab(ブルーライン ラボ)という次世代開発チームを通じて先進的なランニングシューズの開発に取り組み、2021年には特徴的なソールユニットの「Aurora(オーロラ)」を製品化して注目された。陸上男子1500mの世界的ランナーであるJosh Kerr(ジョシュ・カー)選手が使用する陸上スパイクもブルーライン ラボが開発している。
そして2020年、ブルーライン ラボはブルックス史上最速のモデルとして「Hyperion Eleet(ハイペリオンエリート」をマーケットに送り出した。この系譜は、2022年に「Hyperion Eleet 2(ハイペリオン エリート 2)」、2023年に「Hyperion Eleet 3(ハイペリオンエリート3)」につながり、さらに2024年にはブルックスとして初めて、駿河台大学の新山舜心選手が第100回箱根駅伝で「Hyperion Eleet 4(ハイペリオンエリート4)」を着用、新しい扉を開いた。

Hyperion Eleet 5 4万2900円(税込)/ブルックス史上、最軽量で柔らかく、エネルギーリターンが最も高いDNA GOLD 100% PEBAクッションフォームを搭載したレーシングモデル。国内外のエリートランナーがレースで着用する
翌2025年の箱根駅伝でも、学連選抜の駿河台大学佐藤我駆選手が「Hyperion Eleet 4 PB(ハイペリオンエリート 4 PB)」を着用して走った。2025年は、9月に東京で開催される世界陸上選手権に合わせて「Hyperion Eleet 5(ハイペリオン エリート 5)」が発売される予定で、2026年の箱根駅伝でも、このモデルを着用する選手が出てきそうだ。
Hyperion Eleet 5は、ブルックスがこれまでに作ったなかで最も軽く、柔らかく、エネルギーリターンが最も高いDNA GOLD 100% PEBAクッショニングと、カーボンファイバー製のSpeedVault+プレートを搭載し、次世代のレーススピードを生むモデルとして開発された。
また、ブルックスは2025年の東京マラソンEXPOで、前年の2倍の規模というインパクトあるブースを出展してアピール、その開催に合わせて国内初の「ブルックス」ポップアップストアを原宿にオープンし、ランニングシューズブランドとしての存在感を示した。そして、今秋に東京で開催される世界陸上の期間中には、原宿にポップアップストア「ハイペリオンハウス」をオープンすることも明らかにしている。
その世界陸上のマラソンでは、アメリカ代表男子のC J Albertson(C Jアルバートソン)選手、女子はErika Kemp(エリカ・ケンプ)選手とSusanna Sullivan(スザンナ・サリヴァン)選手、Jess McClain(ジェス・マクレイン)選手の4人が代表となっており、それぞれ「Hyperion Eleet 5」の着用が予定されている。さらに、2年前のブダペスト大会1500mで金メダルを獲得したイギリス代表のJosh Kerr選手と合わせ、すでに5人のブルックスシューズ着用選手が決まっている。
ライフスタイルシーンでも注目を集めるブルックス――プレミアムランニングモデルに位置付けられるGlycerinの厚底バージョン「Glycerin MAX(グリセリン マックス)」
一方、ライフスタイルシューズとして街でブルックスを見かけることも増えてきた。2023年9月には、圧倒的な代表モデルであるGhost(ゴースト)のソールを厚くした「Ghost MAX(ゴーストマックス)」を発売、2024年秋には2世代目の「Ghost MAX 2」、2025年秋に「Ghost MAX 3」に進化させている。ウォーク&ランに使えるうえ、さらにライフスタイルでも使えるという汎用性の高さも特徴のモデルで、2025年は、Ghost MAXのレザーバージョンである「Ghost MAX L」、スエードバージョンの「Ghost MAX SE」もラインアップに加わり、選択肢が広がっている。
さらに現在、ファッションスニーカーとして人気となっている1990年代のランニングシューズを現代風に復刻したAdrenaline GTS 4(アドレナリンGTS 4)を発売しているほか、上述のChariotも今年5月にオンラインストア限定で発売した。

Glycerin MAX 2万7500円(税込)/昨秋の発売以来、世界でヒットしているプレミアムランニングシューズの新色。㊤㊧メンズのGRY(グレー)、㊤㊨同YG(イエローグリーン)。㊦㊧ウィメンズのLV(ラベンダー)、㊦㊨同GRY(グレー)




