【インタビュー】ムーンスター井田祥一社長に聞く――2025年6月期はキッズ・ジュニア商品の好調と国産の増加等で増収、黒字化果たす
今期は従業員の生活水準とモチベーションを上げる期間に位置づける。来期から中期経営計画を打ち出し、成長軌道に乗せていく
■今期(2026年6月期)の目標について。
一旦、立ち止まって振り返る事業年度にしたいと思っています。前期までの検証と見直しを行って、来期以降にそれを反映させる予定です。
前期までは、トップダウンで従業員の皆さんに無理を強いながら、回復のきっかけをつかみました。今期は賃上げや賞与等を世間並みレベルにして、従業員のモチベーションを向上させ、若い人が楽しく仕事をできる環境を整えたい。その結果、業績が計画に近いところまで行ければ、真の回復といえるのではないでしょうか。
そうした一環として、コロナ禍を機にリモートワークが主体となっていたなか、スペースも縮小して働きづらくなっていた東京オフィス(中央区区八丁堀)を、今年12月1日付で同じ中央区内の勝どきに移転します。スペースも拡大してショールームも配置、働きやすい環境を整えて徐々に全員出社の体制に戻していきます。
■今期の業績について。
売上高は293億800万円と減収を見込みますが、経常利益は4億6000万円と増益の計画としています。計画通りに運べば、業績回復もひと段落つく、と考えています。
売上げは仕入れ品の減額で落ちる計画ですが、一方、ムーンスターの自社ブランドの構成比率が高くなること、価格を改定してできる限り利益を取れる商品をつくっていくこと。また、価格改定の効果が通期で表れることにより増益を見込みます。
国内では、売上げの絶対額を上げることが難しい環境になっています。そのため、直営店、EC、そして海外の売上構成比が自ずと高くなっていきます。将来的には従来型販路の売上げと新たな販路の売上げが50対50になってくると思います。そのなかで従来型販路の重点店と新たな販路で、ある程度の利益が取れるような事業構造にもっていきたいと考えています。
既存販路についても売上げのウエイトが変化しており、できるだけ当社のブランドの良さを分かってもらい、適正な価格で販売していただき、利益が取れるような販路に力を入れざるを得なくなっています。売上げの不安定さを伴う仕入れ商品は、今をボトムとして最大限の回復をはかりつつも、ムーンスターの自社ブランド主体に変えていかなければいけないと考えています。
そうしたなか、軸となるのは直営店です。シンボリックな存在として、久留米を起点にブランドをしっかり理解してもらえる店舗展開を考えており、それによってピラミッドの中から上の商品を量的に拡大していきたいと考えています。
それと並行して、リアルな店舗でカバーできない部分をECで取り込むことで、利益体質の強化をはかっていきたいと構想しています。そのなかで柱にしたいのはレディース・メンズ商品であり、前述のように稼ぎ頭になるよう重要課題として取り組んでいきます。そして、来期は100期を迎えます。新しい中期経営計画を打ち出し、成長軌道に乗せたいと考えています。
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