連載【いちがいもんの独り言 64】 顧客満足度を上げる、こんな技能試験制度、いかがでしょうか?
スポーツシューズメーカーは、寡占化とネットと流通規制を進め、靴専門店で売れるスポーツシューズの範囲がどんどん狭められています。効率化優先、目先の経営的には正解でしょうが…。
以前、NIKEが自社ショップ化とネット化に偏り過ぎて苦戦しているという記事がありました。デザイン性は抜きん出ていても、ユーザーは実際に色んなメーカーのシューズを見比べて購入したいということでしょうか。
何より、シューズは売る側の人の習熟度で、買った人の満足度が大きく変わる商品だということに気づいていただきたい。ですから…、ネットや適当なスタッフでどんどん売ってしまえば、買った人に「このブランドのシューズはいまいちだった」と巷で言われることが多くなるでしょう。
お客様に「〇〇のランニングシューズを〇〇ショップで買ったけどいまいちなんよ〜」と言われることが多々あります。よくよく聞きながら足元を確認してみると、勧められたものが大きいとか広いとか、その人の足の状態と用途に合っていない、履き方の指導がいまいちなど、靴の出来の良し悪し以前の問題がとても多いです。そんなことがわからないスタッフが、インソール云々と言っても詮無いことですね!
一般のお客様だけではなく、全国トップレベルの中高生のランナーでも、足元の指導をすると、指導者も含めて今まで知らなかったとびっくりされます…。実にもったいないことです。
シューズはウェアとまったく異なり、全体重を支えて動き回るものなので、売る人のレベル差が満足度評価に如実に表れます。しかしながら、シューズに関して要点を理解する優秀なスタッフを育てるのは本当に大変、アルバイトではまず不可能です。根気もいると思います(なにより、本人の意識と好奇心が重要です!)。
現代は、売り先や売り方がブランド価値を左右する時代ですが、特にシューズはユーザーにフィットさせる技能が満足度を高めます。
そこで、①メーカーが独自の技能試験を行い、販売スタッフの技能レベルを格付けチェック。②メーカーは技能レベルが優れたスタッフが在籍する売り先を選定する。そうして、メーカーも流通寡占化とネット偏重化を少し見直せば、シューズの満足度を高く保てると思いますが、いかがでしょう。
スポーツシューズメーカーの開発スタッフは、細部まで考慮して作り込んでいると思います。残念ながら、それはコマーシャルでは伝わりません。その凄さをユーザーに伝えられないのはあまりにもったいない、宝の持ち腐れです。
それを伝えられるのは技能レベルが優れた販売員です。これは経営トップが自ら体験して気づいていただきたいことです。メーカーが技能試験をやれば、お客様は取り組みに好感を抱き、さらにメーカーの凄さが具象化されてwin-winです。
経営者は、「鹿を逐う者は山を見ず」にならないようにお願いします!
【松下誠氏のプロフィール】
シューズコンフォートアドバイザー。広島県福山市でシューズの販売を通して足と靴に関するアドバイスを行っている「シューズラボCue(キュー)」を経営。なお、“いちがいもん”とは広島の方言で「頑固者」を指す。
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