㊧早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学部の岡浩一朗教授、㊥アシックスランニングクラブの池田美穂コーチ、㊨アシックスジャパン狩野和也マーケティング統括部統括部長(「デスクワーカーに有意義な約15分の過ごし方」を提案するメディアセミナーで)
アシックスは、世界の人々の日常的なデスクワークとメンタルヘルスの関係性についての調査「Desk Break experiment(デスクブレイクエクスペリメント)」を実施した。これは、約15分の身体を動かすデスクブレイクが、普段からデスクワークを行うオフィスワーカーのメンタルヘルスにどのような影響を与えるかを検証したもの。
検証はキングス・カレッジ・ロンドンのブレンドン・スタッブス博士の監修のもと、日本を含む16カ国から主にデスクワークを行う計80人のオフィスワーカーに、1週間ごとに通常業務を行った場合と、毎日デスクブレイクを取り入れた場合で、主観的測定値(心の状態スコア、知覚ストレス、生産性、集中力など)と客観的測定値(ストレススコア、歩数、心拍変動)の変化を比較した。その結果、デスクブレイクを取り入れた方が、心の状態の平均スコアは22.5%改善、スコアは100点満点中62点から76点に上昇した。また、知覚ストレスは14.7%低下し、生産性が33.2%向上、集中力が28.6%改善した。
さらに、心の状態スコアにおけるリラックスのスコアは33.3%、穏やかさと回復力のスコアは28.6%向上した。加えて、参加者の79.2%が、定期的に身体を動かす機会があれば雇用主への忠誠心も高まるだろうと答えた。
アシックスジャパンは世界メンタルヘルスデーを控えた10月7日(月)、「デスクワーカーに有意義な約15分の過ごし方」を提案するメディアセミナーを開催し、デスクワークとメンタルヘルスの関係性についての調査結果やエクササイズの提案、また早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学部の岡浩一朗教授が、「日常的なデスクワークがもたらすメンタルヘルスへの影響」について解説した。
アシックスジャパンの狩野和也マーケティング統括部統括部長は、「アシックスは2021年から心と身体の健康についての調査を継続的に行ってきた。私たちの日々の生活は、ますます座りがちになっており、デスクワークで長時間座っていることが、知らないうちにメンタルヘルスに悪影響を及ぼしている。調査によると、デスクワークの合間に約15分の軽い運動を取り入れることで、身体にも心にもポジティブな影響を与えることが明らかになっており、デスクブレイクを推奨している。ぜひ、約15分、身体を動かすことが日々の生活を充実させるきっかけになることを体験してもらいたい」と述べた。
アシックスジャパンは、10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせ、10月7~11日に「Move your Mind Week(ムーブユアマインドウィーク)」として、さまざまな取り組みを実施中。アシックスラン東京丸の内では10月7日、ランニングインフルエンサーの三津家貴也さん、10月10日は元卓球選手の石川佳純さんをスペシャルゲストに、デスクブレイクにお勧めの運動を紹介。また、10月7日から11日の5日間は、店内のランニングステーションを利用し、同社が提供するフィットネス・トラッキング・アプリ「ASICS Runkeeper(アシックス ランキーパー)」を使って15分以上運動した人を対象に、カフェスタンド「Marunouchi Happ. Stand & Gallery」で使えるドリンクチケットをプレゼントする。
また、本社と東京オフィスでは世界メンタルヘルスデーの期間中、社内にトレッドミルやヨガマットなどを用意し、従業員が空き時間に身体を動かすことができるデスクブレイクゾーンを設置している。
続いて岡教授は、「勤労者の調査によると、休日で60%、勤務内では70%に迫る“座りすぎ”が、メンタルヘルス不調を引き起こしている」と述べ、さらに「勤労者のプレゼンティズム(心身の不調)による経済損失は1人当たり5万円を超え、国家としては3.5兆円になる」と警鐘を鳴らした。そして、「30分のうち3分間ブレイクするだけでもその後の疲労感が大きく減少する」と語った。
最後に、アシックスランニングクラブの池田美穂コーチが、簡単にできる“気持ちが上がるような”運動を提案、会見の参加者も加わって身体を動かした。