メディフォームのブース
アキレスは、今年1月26~29日の4日間の日程でドイツ・ミュンヘンで開催された世界最大規模のスポーツビジネスの見本市ISPO(イスポ)に、“走るリカバリーシューズ”という新発想のランニングシューズ「MEDIFOAM(メディフォーム)」で初出展した。渡欧しメディフォームのブース来場者に対応した同社津端裕シューズ事業部新規事業開発担当副本部長に聞いた。
29カ国約50社のショップバイヤーなどがブースを訪れた
アキレスがメディフォームのブースを構えたのは、グローバルなスポーツシューズブランド等が集中出展した会場メインのAのアウトドアゾーン。急遽、出展を決めたことで、事前のプロモーションも行えなかった状況のなか、ブースには4日間でイタリアやフランス、スペインなど欧州を中心にした29カ国から約50社のショップバイヤーや卸商社のディレクターなどが訪れ、活況を呈した。
まず、注目されたポイントは、同社の一般ソール素材に使われるEVAに比べて約3倍あるというメディフォームの耐久性だった。津端副本部長は「現在、スポーツ業界やアウトドア業界ではサステナビリティが重要な要素になっており、耐久性がある=廃棄物が減る、という観点から称賛を浴びた」と語る。同様に、EVAに比べて約10%高い衝撃吸収性、そして同50%アップした反発弾性も高い評価を得た。
アキレス津端裕シューズ事業部新規事業開発担当副本部長
同社では、こうした機能性の高さを訴求するために、日本国内の展示会などで使っている鉄球を使ったデモンストレーションキットやISPO用に特注した体感プレートを用意して、ブース来場者にメディフォームの衝撃吸収性や反発弾性の高さをアピールした。こうした試みにより、「素材に対する純粋な評価が得られ、履いてみたい、走ってみたいという声が挙がった」という。さらにデザイン性についても、日本でも好評のRUNNERS HI(103)のレインボーカラーが「おもしろい」「とてもクールだ」と評された。
日本市場では小売店も消費者も、今、売れている商品に目が行きがち。逆に言えば、ニューカマーは評価されにくい状況にある。津端副本部長は、「ヨーロッパでは、メディフォームの反発力や安定性が偏見のないフラットな目で評価され、興味を持ってくれた」と話し、次回のISPOに出展して商談を詰めヨーロッパでの販売を目指すという。さらに「日本でも1度履いてくれたランナーからの評価は高いものがある。欧州で販売し、その実績と商品のプレゼンスを日本に逆輸入して、厚底一辺倒のランニングシューズ業界に風穴を開けたい」と意気込んでいる。