【アウトドアライフスタイルシューズ特集――2022年夏~秋冬】 これから履きたい!機能性とデザイン性に優れる主要ブランドの注目アイテム
アウトドアカテゴリーは、コロナ禍にあっても注目されている。密にならない空間で楽しめるうえ、ソロキャンプといったパーソナルなアクティビティとしての拡大もあり、それに伴う用品用具の販売に追い風となっている。
売り場からもキャンプ人気はピークを過ぎたという声もあるが、それが登山などへの揺り戻しを呼んでおり、アウトドアの裾野は確実に広がっている。コロナ禍による生産地、アジアでのロックダウンの影響が供給面で出ており、さらにここにきてのコロナ第7波で販売に水を差される形になったが、今年のトレッキングシューズの販売が回復基調にあることは間違いないところ。
初心者登山者の動向を知るうえで参考となる夏期の富士山登山者数(7月の開山から9月10日まで)を、関東地方環境事務所の発表でみると、コロナ禍前の2019年には23万5000人超を数えたが、2020年は開山されず、2021年は約9万人(環境省設置の富士宮ルート欠測期間分に富士宮市が設置するカウンター分をプラス)と約6割減った。2022年の数字は9月末日に発表される予定だが、現段階では前年を超えてくると推定される。
そうしたなか、アウトドアブランドを始めとしたアウトドアシューズを展開する企業は、ライフスタイルを含めて市場の動きに合った軽快で使いやすいシューズの開発に力を入れている。以下に、Shoes Post Onlineがセレクトした「アウトドアライフスタイルシューズ」主要ブランドの商品を紹介する。
【ザ・ノース・フェイス】ゴールドウイン
子どもたちの自然体験を増やすために各カテゴリーにキッズモデルを拡充し親子ペア提案も強化
「ザ・ノース・フェイス」のトレッキングシューズの動きが活発化し、主力モデルのひとつ「クレストン ミッド フューチャーライト」を始めとした各モデルが、良く動いている。そうしたなか、ベクティブコレクションのライフスタイル系モデル「ベクティブ タラバル フューチャーライト」は、日常から軽いハイキングにも行けるという、さまざまなシーンで活躍できるモデルとして人気となっている。
ゴールドウインは、スポーツの可能性を拡張し、美しい自然とともに人間らしくある未来へと進むため、創業70周年を迎えた2020年から「PLAY EARTH(プレイアース)」(地球と遊ぶ)というコンセプトを掲げている。子どもたちの自然体験を増やし、こうしたコンセプトを商品を通じて伝えていく活動を強化しており、シューズについても各カテゴリーにキッズモデルを拡充している。
トレイルランニングシューズのベクティブコレクションからインスパイアされたビフォア&アフターランニングシューズの「Preface Forward(プレフェス フォワード)」にも、親子ペア提案として「K Preface Forward(キッズ プレフェスフォワード)」を用意しているほか、難燃素材を使ってキャンプシーンでも安心な「ファイヤーフライ」コレクションやウォーターアクティビティでも活躍する「ストレイタム ピカ」も親子ペアで履けるラインアップになっている。
【コロンビア】コロンビアスポーツウェアジャパン
トレッキングのセイバー、防水スニーカーのホーソンレインなど、人気シリーズのデザイン性と機能性をさらに向上
登山が再注目されてきたなかで、「コロンビア」においてもトレッキングシューズの定番アイテム「セイバー ファイブ」が好調に推移している。5世代目は、さらに軽さや反発性、グリップ性など機能性を向上させている。また、「コロンビア」が得意とするアウトドアライフスタイルの領域では、「ホーソンレイン」シリーズが引き続き人気で、ホーソンレイン(ロウ) スリー ウォータープルーフはデザイン性や素材感、機能性をバージョンアップしている。
2022年春夏の話題のひとつとなったのが、かつて「コロンビア」のライフスタイルシューズの顔だったチャドウィックの復刻。超軽量で優れたクッション性を発揮するミッドソールテクノロジー、テックライトを搭載するなど、デザインは踏襲したうえで機能性を進化させて復刻された。さらに秋冬は、サステナブルな素材をアッパーに使った「チャドウィック」の“カフェ”シリーズが登場する。
ヴィブラムのアークティックグリップソールの搭載で秋冬シーズンを牽引している「サップランド」は、2022年秋冬も強力なラインアップを用意している。コロンビア独自の熱反射テクノロジーの最新版である“オムニヒートインフィニティ”が搭載され、初めてウイメンズにフォーカスしたシルエットのモデルも加えている。また、北海道から東北地方を始め、その他の高積雪エリアへもコミュニケーションを広げていく。
【キーン】キーン・ジャパン
キッズモデル充実&親子提案とトレッキング・ハイキングシューズの強化をはかる
2022年は、キッズ商品の充実化&親子提案の強化を進めている。“天井のないところすべてを「アウトドア」”と定義するキーンが提案する子ども向けの「KNOTCH(ノッチ)」コレクションは、通学や公園での運動靴としても、キャンプなどの休日アクティビティとしても、シーンを問わずマルチに活躍する。
また、定番のNEWPORT H2やJASPERなど、パパ・ママ&キッズや、おじいちゃん・おばあちゃんまで3世代でリンクコーデが楽しめるカラーバリエーション、モデルバリエーションの豊富さも魅力。2022年秋冬もチャッカブーツの新色で、引き続きリンクコーデを楽しめるラインアップを揃えている。
また、キャンプブームが定着化するなか、キャンプ+αを求める人や新たな登山エントリー層も含めた登山者に向けたトレッキングシューズ、ハイキングシューズを強化している。定番トレッキングの「Targhee(ターギー)」コレクションに加え、2022年春夏からキーン史上最軽量ハイクシューズ「NXIS(ネクシス)」コレクションが登場、さらに2022年秋冬には近郊のハイキング需要にも対応するハイクシューズ「Circadia(サーカディア)」を登場させ、国内の多様なトレイル・ハイクシーンをカバーしていく。
【ハイテック】ムーンスター
レインスニーカーの新シリーズ「ヴォルク」などキャンプ需要を捉えた、カジュアルモデルを強化
2022年春夏は、ハイキングやキャンプなどのアクティブなアウトドアシーンで充分な機能を発揮しながら、日常のファッションシーンにも使用できる豊富なラインアップを展開した「ハイテック」。オフロードからストリートまでシーンをクロスオーバーするブランドの人気モデル「EASTEND(イーストエンド)」の新色アイボリーが女性を中心に好評を博した。
2022年秋冬に向けては、定番モデル「AORAKI(アオラギ)」、「EASTEND(イーストエンド)」を軸にブランドを活性化。キャンプ需要を捉えた、カジュアルモデルを強化している。
注目は、雲行き不安なキャンプサイトにも、普段使いにもちょうどいいレインスニーカーの新シリーズ「WOLK(ヴォルク)」の商品群。透湿防水「DRI-HI Light」と防滑ラバー「GAMAHEX」を搭載し、雨天時に充分な性能を発揮する。ラインアップは、HT CMU13 WOLK HI WP(税込価格8250円)、HT CM014 WOLK WP(同7590円)、HT CM015 WOLK CHELSEA WP(同7590円)。
また、氷上防滑ラバー「GLASS CLAW」を搭載したウィンターブーツのHT WT006 ORNIS HI WPも注目モデルの1つ。温かさを維持する「THERMAL PACK」とマイクロフリースをインナーに使用したほか、透湿防水メンブレン「DRI-HI STORM」を搭載しており、寒冷地に最適なモデルとなっている。価格は1万5400円(税込)。
【キャラバン】キャラバン
キャラバンシューズの定番、C1_02Sの動きが良好、「グランドキング」には機能性を高めたGK88が加わる
登山の需要が回復してきたなか、低山登山の入門者用やセカンドシューズとして愛用されているキャラバンシューズの定番、C1シリーズの需要が増している。「C1_02S」は、登山愛好家に使いやすいように設計されたモデルで、アッパーは合成皮革とメッシュポリエステルにゴアテックス・メンブレンのライニングを搭載。悪路でもグリップするキャラバントレックソールを装着している。
履き口は、柔らかな生地とクッション材で足首を優しくホールドし、指先にはゆとりをもたせた設計。低山から富士登山や屋久島でのトレッキングにも使えるオールラウンドモデルとして人気が高い。繊細な女性の足に対応する専用モデルの「C4_03」も用意している。また、今年投入された「C7_SP」は、里山ハイキングから旅行、タウンユースに使えるローカットモデルとして幅広い年齢層からの需要が期待される。
ステップアップを目指す登山愛好家のためのブランド「グランドキング」からは、踵のホールドと甲から履き口にかけてのフィッティング感をさらに向上させた「GK88」が新たに加わる。アウトソールは、ヴィブラムの「XS TREK EVO」TSAVOを、ライニングにはゴアテックス・メンブレンを採用している。
【サロモン】アメアスポーツジャパン
ロード、トレラン、ハイキングに初のプレート入りシューズ登場、秋冬はSPEEDCROSS、CROSS HIKE MIDがバージョンアップ
2022年の「サロモン」は、ロード、トレイル、ハイキングに各カテゴリーを横断してブレード(Energy Blade)を搭載したシューズをローンチした。ロードはPHANTASM、トレイルランニングはPULSAR TRAIL、ハイキングはOUTPULSEというシューズが、それぞれ注目を集めている。サロモン初のプレート入りシューズということはもちろん、グラスファイバーを軸にカテゴリーの運動強度に合わせた設計が、ユーザーに受け入れられた。
2022年秋冬シーズンは、トレイルランニングシューズのロングセラー「SPEEDCROSS」がバージョン6にアップデートされる。また、SPEEDCROSSを基につくられ、ミッドカットでありながらクイックレースを使用したユニークな「CROSS HIKE MID」も、2にアップデートされる。ソールのパターンを変更することで土詰まりを解消し、よりグリップ力が高まった。トレイルランニングとハイキングのカテゴリーについては、サロモンシューズの2本柱として今後も注力していく。
【コンバース】コンバースジャパン
クラシックデザインと頑強なアウトドアスペックを融合した「CONVERSE CAMPING SUPPLY」
「コンバース」は、ストリートに溶け込むクラシックなデザインに頑強なアウトドアスペックを搭載した独自のフットウェアレーベルとして、「CONVERSE CAMPING SUPPLY(コンバース キャンピングサプライ)」を展開している。
6月に、東京発のアパレルブランド「Chaos Fishing Club」とのコラボレーションモデル第2弾「MSD CP / CFC」を発売。アッパーには撥水加工を施した立体構造のメッシュを採用。水が浸み込みにくく、かつ優れた通気性と快適な足あたりを実現した。甲ベルトは、Chaos Fishing Clubのロゴ「C」を繋げて、うろこのように見立てた柄を織りで表現。外腰のアッパーにChaos Fishing Clubのロゴ、内腰のミッドソールにChaos Fishing Clubのキャッチコピー「てきとうにやっちゃうよ?」をそれぞれプリントしている。カラーはブラック/グリーン/ブルーの1色展開で、価格は1万2100円(税込)。
8月には、東京を拠点にするファッションブランド「Name.」とのコラボレーション第2弾モデル「ODB CP / Name.」を発売する。アッパーは、コットンとCORDURAナイロンを混紡することで風合いと耐久性を両立させた「CORDURA® NYCO」のリップストップ素材とスエードをコンビで採用。コンバースのクラシックなバスケットボールシューズにアウトドアブーツの要素を掛け合わせたスタイリッシュかつタフなデザインになっている。カラーはブラックの1色展開で、価格は1万6500円。
※CORDURA®は、耐久性に優れたファブリックに対するインビスタ(INVISTA)社の登録商標です。
【スポルディング】アキレス
ディアプレックス搭載による全天候仕様のノルディックウォーキングシリーズが堅調
ディアプレックス搭載による全天候仕様のノルディックウォーキングシリーズが堅調