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2025年12月05日

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デサント、「水沢ダウン」の生産拠点・デサントアパレル水沢工場を公開―― 随所にこだわりを集めた施設に

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デサントは10月29日(水)、子会社のデサントアパレルの水沢工場(岩手県奥州市)で、2025年7月1日から稼働した新しい建屋をメディアに披露した。


同工場は、「DESCENTE(デサント)」の代表商品である水沢ダウンの生産拠点であり、同社のモノづくりの中核を担うマザーファクトリーとして、約30億円を投じて建て替えた。新工場では、これまで以上に丁寧で難易度の高いモノづくりを支える機能性と、働きやすさを両立させるための工夫が随所に凝らされている。同社の競争力の源泉である「高付加価値」な商品開発を深化させ続けると同時に、環境配慮、地域共生、従業員満足度向上を実現する工場を目指す。


新工場のこだわりは、さまざまな場所で表現されている。「エントランスホール」には、水沢ダウンと水沢ダウンを構成する163もの裁断パーツを表現したパターンボードを展示し、「デサント」ブランドならではの繊細で難易度の高いモノづくりの世界観を表現している。


また、「縫製エリア」は、高い天井と明るい光、木のぬくもりにあふれた心地のよい空間が広がり、床は一面フラットでラインごとに十分なスペースを確保、導線にも徹底的にこだわったことで働きやすく、人やモノの動きの無駄をなくしている。また、梁に配線ルートを作り、電源をどこからでも取りやすくしたことでミシンや機材を置く位置が限定されず、製造する製品ごとにレイアウトが自由に組み替えできるため、効率化につながっている。スタッフの大部分を占める女性でも届きやすいよう、梁の高さも工夫している。


「冷暖房システム」は、風の出ない輻射熱冷暖房設備をライン内の壁全面に配置。風によるミシンの糸揺れやダウンが舞うことを防ぐと同時に、風が直接あたらず1年を通して温度が均一のため、従業員の快適性も向上した。また、輻射パネルに通す温冷水は胆沢扇状地の豊かな地下水を利用し、環境への配慮も両立している。


「食堂・休憩室」には、従業員が一人ひとりにあった方法でしっかり休憩できるよう、グループで歓談できる席や一人の時間を過ごせる席、靴を脱いでくつろげるシートなど、さまざまなスペースを設けた。また、女性用の化粧室を大幅に増やし、広々としたロッカールームや服についた糸くずやダウンを取り除くためのエアシャワー室の設置など、従業員の快適性・働きやすさを追求している。


さらに「地元との調和と環境への配慮」という観点からは、工場の外壁や生産エリアの象徴的なファクトラインシステムに地場産の木材を使用し、木材の持つ熱を伝えにくいという機能性、周辺の景観との調和、素材としての親しみやすさを生かしている。この地域に見られる古くからの木造の蔵からインスピレーションを得た三角形の屋根が連続する外観は、日本三大散居集落に数えられるこの地域特有の美しい風景と調和する。三角形の屋根形の高い天井は、内部に自然で快適な空気の動きを作り、建物中央部の高窓からは、建物の隅々に自然の光を届ける。


また、工場は1970年の操業開始以来、地元の人々に深く支えられており、なかには親子2代、3代にわたって働く従業員もいるなど、地元のつながりのなかで大切に熟練の技術が受け継がれることで、「水沢ダウン」を始めとする高い付加価値の商品が生み出されてきた。


2008年に誕生した「水沢ダウン」は、デサントのモノづくりの象徴。冬季国際大会に向かう日本選手団のため、厳寒・多雨雪の開催地に耐える防寒ウェアとして開発された。ダウン表面の縫い目を極力減らす新しい発想で、水の浸入を防ぎ、温かい空気を逃さない防水性・保温性に優れたジャケット。


すっきりした見た目とは裏腹に、製作には一般的なアウターの4倍近い約280の工程が必要であり、そのほとんどが手作業。曲線パーツの縫製、扱いの難しい素材、やり直しの利かないシームテープの圧着など、高度な技術と正確さが求められる難易度の高い作業が必要。このとてつもない手間と高度な縫製技術を実現できるのは、機能性が高く複雑な構造の生産を長らく手がけてきた、熟練の技と設備を備えた水沢工場だからこそ。今後も水沢工場にしかできない高い付加価値の商品の開発・生産を、よりクリエイティブに、より効率的に行っていく。


なお、高い技術と丁寧な手作業で一つひとつ仕上げた「水沢ダウン」を長く大切に使ってもらうために、水沢工場では修理対応にも注力している。修理を依頼される製品の半分以上が5年前以上前の製品で、顧客が愛着をもっていることが分かる。新しいものを生み出すこと、購入されたものを長く大切に使ってもらうこと、水沢工場はどちらも大切にしていく。


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