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2024年12月11日

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ミマキエンジニアリング、環境と人に優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」を提案――誰でも簡単に印刷、場所を選ばず導入可能。従来と比べ廃水約90%削減の捺染方式を提案



産業用インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛けるミマキエンジニアリング(長野県東御市、池田和明代表)は、「捺染顔料転写プリントシステム」を製品化した、環境と人に優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」の近日中の発売を予定している。


TRAPISは、Transfer(転写)・Pigment(顔料)・System(装置)を名称の由来とした同社の顔料転写方式の捺染プリントシステム。システムは同社のインクジェットプリンタ、専用インク、専用転写紙、及び同社推奨の欧州メーカー製の転写機で構成される。


これまでのデジタル捺染は、染色の前後処理(プリンタの布搬送用ベルトの洗浄水と染料定着後の生地の洗浄)による化学物質混合排水を大量に発生させ、環境問題とされているほか、染色加工の工程が複雑であるため専門技術と知識を必要とし、さらに大規模な排水処理設備が必要など、導入場所の制限もある。


今回同社が製品化したトラピスは、専用の転写紙にプリントしたデザインを、熱転写装置を使用して生地に転写し捺染が完了する。そのため、捺染工程における廃水がほぼゼロ(プリンタの自動メンテナンスにより発生する廃インクのみ)で、転写紙の製造工程において発生する廃水を含めても、従来の捺染プリント方式と比較し廃水を約90%削減する。従来の捺染システムのような大規模なスペースや排水処理設備も不要のため、少ないスペースで導入でき、布製品の流通の先端である店舗やデザインオフィスなどでも捺染ビジネスができる。


また、TRAPISは捺染がプリントと転写で完了する簡単な工程であり、染色の専門技術と知識がなくとも簡単にオペレーションを始めることができる。


さらに、従来の捺染では、繊維の種類ごとに異なる染料(インク種)及び捺染設備が必要だが、TRAPISは1種類のインクで幅広い種類の生地にプリントができる。そのため、捺染を専門とする染色工場に限らず、様々な場所で様々な生地に、必要な時に必要な分だけ、小回りの利いた染色事業が可能となり、世界的にサステナブル化が求められる染色業界の照準に適合する。


プリントが可能な素材は、リネン、ナイロン、ヘンプやスパンデックス、綿、ポリエステル、革など。現在、合成皮革については検証中だという。このようにシューズのアッパーに使用される素材にもプリントが可能なため、オリジナルプリントを採用したシューズの作製もサポートできる。


TRAPISは、ファッションアパレルやファッション雑貨(シューズやバッグなど)およびホームテキスタイル用途をはじめとするテキスタイル、アパレル、ファッション雑貨市場で年間100台(全世界)の販売を見込んでいる。


同社は、11月20~22日に東京ビッグサイトで開催される日本最大級のインテリア国際見本市「JAPANTEX2024」と11月27~30日にインテックス大阪で行われる最新の縫製・生産技術を中心に国内外の最先端技術、製品、サービスが一堂に会する見本市「JIAM 2024 OSAKA 国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市」に出展。TRAPISの技術とその魅力を紹介する。


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