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2025年02月19日

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ミズノ、計測データを基に3Dプリンターで靴底をつくるウォーキングシューズ「3D U-Fit(スリーディーユーフィット)」を4月から発売へ――シューズづくりの常識を変える挑戦へ一歩踏み出す

㊧3Dプリンターで靴底をつくっている様子、㊨アッパーとソールは通常のシューズ同様に接着することで出来上がる

ミズノは、3Dプリンターで個人に合わせた専用の一体ソールを設計・製造する技術を開発し、その技術を活用したパーソナルフィッティングシューズ「3D U-Fit(スリーディーユーフィット)」を4月1日から発売する。価格は5万5000円(税込)。


同社では、「シューズの機能のほとんどを担うソールについて、これまでの製造工程では個人に合わせて簡単に変えられないという技術的な制約があった」とし、「今回開発した3D U-Fitは、個人の足型を計測し、それに合わせた一体ソールを、そのデータに合わせてつくることで、それぞれの足に合ったオリジナルシューズを作製できる」と説明する。


日米で特許取得済みのソールは、独自構造により、足底の加重分散による負荷軽減や独特のクッション感をもち、従来のフィット感とは一段違う次世代のフィット感を提供できる。ソールの素材は特殊な合成樹脂で、ニット製のアッパーと通常の接着剤を使用して圧着機で合体させる。


同社藤原誠アスレティック事業部ライフ&ヘルスマーケティング部部長は、「2019年に立ち上げたライフ&ヘルス事業は、人々がアクティブに暮らす活気ある世界“POWERED LIFE(パワードライフ)”をスローガンに事業展開している。これは、自らの身体を使って好きなことをする時間を1日でも長くすることで、これまで当社が培ってきたスポーツテクノロジーの価値を一般生活者に届けたい。今回は、ひとりでも多くの人の靴に関する困りごとを解決したいという想いから3D U-Fitが誕生した。これにより、自分の足に近い靴を探して買うことから、1人ひとりの足の形に寄り添って提供できようになる」と話す。


3D U-Fitの購入(完全予約制)の手順は、グローバル旗艦店のMIZUNO TOKYO(東京都千代田区)で既存の測定器で足型を片足ずつ測定し、土台となるソールを片足ずつ設計する。その情報に独自のアルゴリズムを加え、専用のシューズが出来上がる。第1弾では、アッパーのデザインは1種類でカラーは2色から選択、ソールのカラーは1色、硬さは2種類から選べる。サイズは22.0~29.0㎝。足囲はA~G相当に対応。最終確定した情報は、ミズノテクニクス山崎ランバード工場(兵庫県宍粟市)に転送され、そのデータを基にシューズを製造。オーダー後、約2週間で完成する。


ソールを製造する3Dプリンターは特殊なものではなく、これを同時に1足分製造するために、まず2台から稼働させる。1足分のソールの製作時間に約20時間を要するため、初年度は毎月約10足からスタート、年間200足程度の販売を見込む。そして、2030年度に1万足の販売を目指す。また、ランニングなど、ウォーキング以外のシューズカテゴリーにも順次チャレンジしていく。


今回の製造工程では、通常ではシューズづくりに欠かせない金型が不要になる。また、個人に合わせて作製するため、材料や在庫品を大量に生産する必要もなく、輸送費の削減にもつながる。従来の大量生産、大量消費、大量廃棄から脱却し、環境にやさしい新たなシューズづくりのフローの確立を目指す。


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