靴職人でアーティストの三澤則行氏が個展「A SINGLE SKETCH」を東京・銀座のMAISON GEKKOSOで開催中(2月2日まで)――新作「MUSIC Ⅵ~horn(ホルン)~」も公開

展示室の手前(左上)に代表作「足の巣」を展示
靴職人でありながらアーティストとして革新的な靴アート作品を生み出している三澤則行氏が、2月2日(日)まで東京・銀座のMAISON GEKKOSO(メゾン ゲッコウソウ)で個展「A SINGLE SKETCH」を開催している(三澤氏の単独展示は1月26日まで)。開場時間は13:00~19:00(最終日は16:00まで)。
代表作で2021年の国際コンクール「GLOBAL FOOTWEAR AWARDS」で総合優勝し、世界中から注目を浴びた「足の巣」や、アート業界でも評価の高い「ネズミにやられた」などが並ぶなか、2025年新作として展示されているのが「MUSIC Ⅵ~horn(ホルン)~」。
今回の個展が行われているMAISON GEKKOSOを運営するのは、1917(大正6)年創業の月光荘画材店。同社のトレードマークとなっている「友を呼ぶホルン」は、与謝野鉄幹・晶子夫妻を中心とした当時の文化人グループ(小山内薫、芥川龍之介、島崎藤村、有島武郎、初代猿之助、森律子、藤島武二、岡田三郎助など30数人)が一緒になって考案したもので、ホルンの音のもとに多くの仲間が集まるように、との願いが込められている(月光荘のHPから)という。
そこで三澤氏は、この「ホルン」を題材とした靴アート作品を制作した。三澤氏は個展開催にあたり、「一足の靴で世界を変える、という思いで日々靴作りをしています。製作を続ける者として引き寄せられたこの月光荘という場所で、その象徴であるホルンを題材に新作を発表いたします。私の作る靴はいつも一枚のスケッチから生まれます。それは月光荘の想いと重なるのではないかと思います。古くから多くの芸術家が集うこの月光荘での展示は、芸術を探求し続ける私にとって感慨深く、意味深いことです。靴職人としてのキャリア、アーティストとしての発想、そして最後に「怒り」。それらが一つになって生まれた靴の作品をどうぞゆっくりご覧ください」というメッセージを伝えている。

2025年の新作「MUSIC Ⅵ~horn(ホルン)~」。実際に履くこともできる靴アート作品