【インタビュー】丸紅コンシューマーブランズ髙原社長に聞く――「靴を中心にその周辺で消費者に喜ばれる製品を扱う会社へ」
丸紅フットウェアは2024年4月に新社長に髙原秀人氏が就くとともに、5月には社名を丸紅コンシューマーブランズに変更し、本社事務所も移転して新たなスタートを切っている。新体制・新社名のもとで、どんな会社を目指すのか、髙原社長に聞いた。
自社ブランドの「イフミー」と総代理店として展開する「メレル」「ロックポート」に2024年は「カリウマ」を加え、さらに2025年からは「サッカニー」と「キジック」をスタート
■社名変更の意図。
スキンケアといった靴以外のブランドや今年からは「メレル」のアパレルの販売も始めたことなどから、これまでの“フットウェア”から靴を中心にしながら、その周辺で消費者に喜ばれる製品を扱う丸紅グループの会社として“コンシューマーブランズ”という社名に変更した。
大きく育てた「フィラ」の取扱いは2024年で終了したが、モノを生み出せるノウハウを活用して自社ブランドの子ども靴「イフミー」を充実、さらに総代理店として展開する「メレル」「ロックポート」という著名ブランドに、2024年にはブラジル発の次世代のサステナブルシューズブランド「カリウマ」を加え、そして2025年からは老舗ランニングシューズブランドの「サッカニー」の販売をスタートさせ、グローバルランニングブランドに育成していく。さらに市場を席捲するハンズフリーシューズを展開する新進気鋭のブランド「キジック」と、扱いブランドを拡大し、日本のマーケットに広めていく。
利益体質を意識し、採算を重視して効率よく利益を生み出せるような編成にすることで、次の30年も市場で存在価値のある会社になる
■社内体制
2025年4月からスタートする3カ年経営計画(中計)では、時代に合った手法で目標を明確に設定、変える部分と変えない部分を決めて、トップダウンではなくチームワークにより、社員すべてが目標に向かっていく組織づくりを実行していく。この中計ではどこへ向かっていくべきか、その方向が定まってきており、それを内外に発信することで社内全体に認知させていく。会社の全体像を見てもらうために、2024年12月には同社のすべてのブランドを集めた合同展示会を都内で初めて開催した。
また、髙原氏が社長に就任した4月以降、オフィスもリモートワークへの対応を始めとした働き方改革を推進し、事務所移転を機にフリーアドレス化にも取り組んでいる。
髙原社長は「大切なのは利益体質を意識し、採算を重視して効率よく利益を生み出せるような編成にすること」と語る。そして、まだ手掛けられていない領域を埋めていく。売上げよりも利益に重きを置き、「目標は3年間で営業利益を現在の2~3倍にすること」。そして、2024年に設立30年を迎えた同社が、次の30年も市場で存在価値のある会社になることを目指す。
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