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2024年10月10日

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JISの「『革(レザー)』の用語の制定」に関心高まる――日本皮革産業連合会が東京と大阪で開いた説明会に400人超が参加

JISで制定された「革(レザー)」について説明する日本皮革産業連合会の吉村圭司事務局長

今年3月21日に、「『革』や『レザー』と呼べる製品は、動物由来のものに限る」とJIS(日本産業規格)で規定された。これを受けて、日本皮革産業連合会は、今年5月に開催された東京レザーフェア内で、この内容について説明するセミナーを開いた。


このJIS制定への関心が高いことから、日本皮革産業連合会では7月24日に東京で2回、7月29日には大阪で1回、今年4月に改訂された「日本エコレザー」の認定制度を合わせた説明会を開催し、両会場合計(オンライン含む)で424人が参加した。


最近、植物由来、石油由来の素材などが、「〇〇革」「〇〇レザー」という名前で商品化されたり、呼ばれたりされていることで、消費者がこれらを靴やバッグ、財布、ベルト、アパレルといった本来の革(レザー)製品と誤認して購入してしまう事態が起きている。


すでにイタリアやフランス、スペイン、ドイツ、ブラジル、ポルトガルなどでは、「革(レザー)は動物由来のものに限定する」と法律で定められている。そこで日本でもISO規格の用語“Leather(レザー、革)”を基にした「JIS K 6541:2024 革(レザー)―用語」が、今年3月に制定された。


日本皮革産業連合会は、7月8日付で、このJIS規定についてリリースを配信している。その内容の主なものとは、①アップルやキノコ、サボテンなどからつくられた素材を「〇〇革」「〇〇レザー」とは呼べなくなった。商品名などに使うこともできなくなった。


②「シンセティックレザー」「フェイクレザー」「PUレザー」「ビニールレザー」などと呼ぶことや、JISで規定された以外の商品の名称に、「レザー」「革」「スエード(スウェード)」「ベロア」「ヌバック」を用いることもできなくなった。


③革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材を「ボンデッドレザー」「リサイクルレザー」「再生革」などと表記することも誤りとなり、「皮革繊維再生複合材」と呼ぶ。「ボンデッドレザーファイバ」や「レザーファイバボード」とは呼べる。


④不織布や特殊不織布、合成樹脂などを使って革の見た目に似せたものは「合成皮革」「人工皮革」と表記しなくてはならない。


その他、エコレザーについても、「環境に配慮して製造される革・レザー」であると規定された。植物由来の素材や革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材などを「エコレザー」と呼ぶことはできない。


用語の規定は、革(レザー)素材の基本用語、なめしに関する用語、製革途中の素材に関する用語、仕上げ後の素材に関する用語、革(レザー)を粉砕などして再利用した素材に関する用語、革(レザー)を模倣した素材に関する用語の6つに分けて定義されている。


7月24日の説明会で日本皮革産業連合会の吉村圭司事務局長は、「レザーが本物の革を指していない現状がある」とJIS制定の重要性について語り、規定に反する表記をしている業者には「JISで制定されたという書簡を送っている」という。


さらに「皮革・革製品は食肉産業の副産物を再利用していることを、一般の62%の人が知らない現状もあり、正しい言葉・情報を、百貨店を始めとした小売りの現場から理解、広めていかないと今後の信用にかかわる。これからもしっかり伝えていく」と話す。


さまざまな発信を続けるなかで、同連合会には「ヴィーガンレザーと言っても、もとは石油製品だということが分かった」や、「食肉の副産物を有効活用したい」といった声が届いているという。


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