
神事の後、神田明神神殿をバックに記念撮影する靴の記念日式典に出席した関係者
日本靴連盟は3月14日(金)、「靴の記念日」の神事・式典を東京・千代田区の神田明神で日本靴連盟役員ら関係者30人の出席で執り行った。
靴の記念日は、佐倉藩出身の西村勝三翁が明治3(1870)年3月15日に、東京の築地入舟町に日本で初めての西洋式の靴の工場「伊勢勝造靴場」を開業したことに由来している。神事は10時半から神田明神神殿で執り行われ、勝三翁の主人だった佐倉藩末裔の堀田家代表や日本靴連盟役員が玉串奉奠を行った。

神田明神神殿で行われた神事。玉串奉奠をする日本靴連盟の藤原仁会長
明神会館で行われた会食は、日本靴連盟小堤幸雄副会長(日本靴小売商連盟顧問)の開会の辞に続き、主催者代表として挨拶に立った日本靴連盟の藤原仁会長(日本皮革産業連合会会長、全日本革靴工業協同組合連合会会長)は、「日本靴連盟は、材料調達の会社からメーカー、卸、小売りに至るまで、靴に関する一気通貫の団体として連携ができる日本唯一の団体である。靴の業界は依然として厳しいが、やはり輸出産業に昇華させていく時代を迎えているのではないかと思っており、当団体の力を最大限に活用して発展に寄与したい」と述べた。
次に佐倉の堀田家13代目の堀田正典氏が来賓として登壇、「靴業界は、コロナ禍が明けても大変厳しいと聞いているが、靴の記念日を機に歴史をもう一度見直して、靴産業が歴史のなかでどうやって苦しい時代を乗り越えてきたかを、何かの指針、道標にしていただきたい。また、現在、浅草文化観光センターで靴の記念日のイベントが行われており、そのなかで長年、靴の歴史の研究に携わってこられた故稲川實さんの追悼展が開催されている。展示のなかには昭和の頃の軍靴も飾られるなど、靴の歴史が分かりやすく整理、展示されている。現在はご子息の和文さんが1人で管理されている。そうした頑張っている方がいるということを知っていただくことも記念日の意義ではないかと思う」と話した。
その後、経済産業省製造産業局生活製品課髙木重孝課長の挨拶に続き、小林真一郎日本靴連盟副会長(日本靴工業会副理事長)の乾杯で会食・懇親に入った。13時に日本靴連盟武田和芳副会長よる中締め・閉会の辞のあと、散会した。
式典は、2019年までは東京・神田の東靴協会西村記念ホールで、佐倉藩主堀田家末裔など関係者出席のもと行われてきた。節目の150年(革靴産業150周年)を迎えた2020年は、会場を神田明神に移し、3月15日当日に神事・式典を行うことを決めていたが、コロナ禍で規模を縮小、最少人数で神事のみを実施。以来2023年まで4年連続で神田明神で神事のみを行ってきた。
昨年、2024年からは、コロナ禍が収束したことから、勝三翁の主人であった千葉・佐倉藩末裔の堀田正典氏、堀田正篤氏ら総勢30人主席のもと、神事が行われ、会食の席も設けられている。