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2024年10月07日

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連載【いちがいもんの独り言62】 並べただけでは売れないが、履いてもらうと売れる靴が減っていくのは靴専門店にとって死活問題!



『靴専門店が売らないといけない靴』。写真の靴は、当店でとくにリピーターが多い靴です。


この靴は並べておいただけでは売れません。しかし、靴紐をちゃんと締めてあげて履いて歩いてもらうと大概、虜になります(もちろん、きっちりした説明が必要です)。


他社の同じジャンルのメジャーな靴何点かと履き比べしていただいても、高い確率でこの靴にされます。


この靴の真骨頂は、強めの外反母趾の方でも(いやそういう方こそ)、ストレスなく快適に力強く歩けることです。幅広・ソフト・ストレッチで外反母趾対応と謳っている、そこらじゅうに溢れている物とは全く違います!


この靴は、踵と中足部がしっかりとしているうえに絞ってあるので、症状にもよりますが開張足や外反母趾や外反足を正常な骨格に近づけた状態で保つことができます(靴づくりの基本ですが、これが守られている靴が意外と少ない…涙)。


そして、外反母趾だと痛くなりやすい母趾球と小趾球が当たる部分だけ、Wラッセルのような素材で対応しているのでストレスなく包み込みます。


この機能的デザインのおかげで、きっちり履いて歩いても痛くありません。浮指・外反母趾の方が「足指に力が入るようになった!」と感想を言われることがよくあります。


ただ、ほんとうに悲しいことがあります。この靴のブランドを扱っている店舗でも、このモデル(L019)を扱っている店はとても少なく、中国地方では当店ぐらいしかないということです。


きちんと履かせて歩いてみてもらえばリピーターになるモデルです。靴専門店が当たり前の売り方をしない(できない)のであれば、ディスカウントやネットに負けるのは、すごく当たり前のことですよね…。


以前、大阪の私の師匠の店を訪れたとき、「この靴ええでぇ、やっとるか?」と言われ、(もちろんですがなぁ)と心の中で言っていました。そこでは結構な足数を売られています。


靴専門店の武器になるモデルなのに、取扱店が伸びない…、売れないということが靴専門店の現状を語っているようです。これではメーカーは真面目な靴を企画しなくなってしまいます(焦)。


そうなると良い靴が手に入らなくなり、靴専門店は存在意義がなくなります…。このような靴を当たり前に、多くの靴専門店が売るようになることを願い、取り上げました。


【松下誠氏のプロフィール】
シューズコンフォートアドバイザー。広島県福山市でシューズの販売を通して足と靴に関するアドバイスを行っている「シューズラボCue(キュー)」を経営。なお、“いちがいもん”とは広島の方言で「頑固者」を指す。


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