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2024年09月13日

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連載【いちがいもんの独り言63】開発・営業・経営者に思うこと――「製品開発担当者はやる気のある営業マンを巻き込んで潜在ニーズを掘り起こして!」

製品開発時代、百貨店専門店向け子ども靴や、積寒地や都会向けのゴアテックス靴、ヘルスケア介護流通開拓など、それまで取り引きがなかった流通を開拓、軌道に乗せてきました。


振り返るとその都度、前向きな営業マンと組んでいたことに気づきます。新しい流通開拓狙いの製品開発をするときに、製品開発者はバイタリティがありどこにでも売込みに行く営業マンとタッグを組むことです。


もしくは、そうしないといけない状況に営業を仕向けることです。実際に、私は経営者がそうして成功させたブランドを知っていますよ!


私が百貨店向け子ども靴の開拓をしていたころはスニーカーブームで、増産増産で生産以上に売れていく良き時代でした。そんな状況なので、既存流通のオーダーに対して、工場のキャパ取りと価格交渉のみが営業の仕事と思い込んでいる営業マンが大多数でした。


そんなですから、自社の靴のことを知ろういう意識が全くありません。そんな中、ごく少数の営業マンが新規流通開拓のために商品についても勉強し、取り引きのない新規流通に飛び込み、そこにないものを一緒に模索してくれました。それは20〜30年昔の話です。


そんなことを思いながら、各社の新シーズンのカタログを見ていると、このブランドの製品開発担当者は意欲的な提案を営業や上司から却下されるのか、能力ややる気がないのか?と心配するほど魅力のない困った商品構成だなぁと思うものがあります。そう感じたところには、なぜか、どうしようもない営業マンがいたりします。


開発者の独断ではことは進みません。難しいかもしれませんが、製品開発者は是非、やる気のある営業マンを巻き込んで、並べたい売り場を丹念に周り、見えていないニーズを掘り起こしてください。そして、会社はその活動を後押しして評価してあげてください。


経営陣が、「売上予測は?」「利益は?」「期間は?」と必要以上に問い詰めて行動前からブレーキを踏ませるのは、事なかれ主義の自己保身ではないですか。私は役員に「やってみなはれ!」と言われて本当に嬉しかったです!


こんなことをわざわざ活字にするのは、小売店として売りたい靴がどんどんなくなっている危機感からです。


【松下誠氏のプロフィール】
シューズコンフォートアドバイザー。広島県福山市でシューズの販売を通して足と靴に関するアドバイスを行っている「シューズラボCue(キュー)」を経営。なお、“いちがいもん”とは広島の方言で「頑固者」を指す。


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