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2024年04月18日

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山三商事、履くだけで疲労回復・機能改善を促す医療機器CL2認定シューズ「Eddy(エディ)」を開発

靴紐をサイドに配することで血管を圧迫しないアッパー構造にしている

山三商事(新潟県長岡市、巻渕文彰社長)は、社内プロジェクト(Eddy Japan)による新たな事業として、履くだけで疲労回復・機能改善を促す医療機器CL2認定シューズ「Eddy(エディ)」を開発し、7月27~29日に東京ビッグサイトで開催された「SPORTEC2022」で初披露した。


同社は靴・履物の企画製造卸として、30年以上前から雪国に暮らす消費者に向けて、「水が浸入しない」「暖かい」「滑りにくい」「軽い」といった機能をもったシューズを提供してきた。巻渕文彰社長は、「これまでは季節商品が多かったことから、年間で販売でき、かつ生活者の悩みや問題を解決できる商品をつくろうと、3年半かけて開発してきた」と話す。あいにく、すぐにコロナ禍となり「臨床試験を始めとした進行が滞り、予想以上に時間がかかったが、その分熟成できたと思う」と語る。


「エディ」は、アッパー、インソール、アウトソールをポイントに、①オブリークシューレースシステム、②エディストレッチフィットレース、③サイドアイレット、④バックカウンターレス、⑤マルチストレッチアッパー、⑥アキュプレスインソール、⑦マグインソール、⑧フットベッド・エディフォームインソール、⑨セントロイドソール、⑩エディフォームソールという10大機能を搭載している。


アッパーは、できる限り圧迫しないで血管を解放するように設計している。甲は動脈が表面に近いところを通っているため、靴紐をサイドに配することで圧迫を抑制。エディストレッチフィットレースと名付けられた靴紐は、外側に伸縮性の高いポリウレタン、内側に反発性の高いゴムを採用することでフィット性を高め、結ぶ必要もない。中央部分は3㎜厚、先端はハトメよりも太い5㎜厚にしてフィット性を維持でき、7㎜厚の玉を付けることで調整できるようにした。特許取得済。また、カウンターは、激しいスポーツはしないことを想定して柔らかく設計し、バックバンドを付けて血管を圧迫せずに、踵抜けも防ぐ。


インソールは、2組を附属する。ひとつは、ゴムで凹凸をつけ足裏のツボを刺激し、マグネットの磁力の効果で血行を促進させるマグ&アキュプレスタイプ。二つ目はへたりにくく柔かい発泡ラバーを使ったフットベッドタイプ。試合の後や歩き疲れた時、血行が不足している時は、マグ&アキュプレスタイプでマッサージアップし、その後フットベッドタイプに差し替えて足全体の疲れをとる仕組み。

山三商事の巻渕文彰社長

アウトソールは、軽量で柔らかく丈夫な独自配合の発泡ゴム「エディフォーム」(特許出願中)を使用。さらに、自然な意識で足を踏み出すだけで正しい重心移動を促す「セントロイドソール」設計(意匠登録申請中)により、正しい重心移動を促す。「エディ」を履いて、歩行前と180秒歩行後の血流臨床試験では、歩行後に血行血流が明らかに改善されることが確認できている。


販売については、2023年春に数アイテムで限定販売し、本格展開は2023年秋を予定する。上代は1万3000円程度を目指す。販売者にはもちろん、消費者にも理解してもらうことが必要な商品のため、靴ルートのほか、スポーツルートや医療・福祉ルートなど、さまざまなルートと話をしているところだという。


「SPORTEC2022」では、スポーツトレーナーなどから反応があり、詳しく話を聞きたいという声が挙がっている。巻渕社長は「まず、アスリートやトレーナーへの訴求からブランドの認知を上げていき、トップダウンしていく。将来的には、ミドル、シニア層、さらには子ども向けにも拡大させたい」と話す。すでにアスリートや医療機関で500~600足規模でのモニターを実施しており、商品をさらにブラッシュアップしていく。



ブランド名の「エディ」とは、カヌーやカヤックの専門用語で川の流れが止まるようなところを指す。川を下る際には、“魚の休息場所”とも呼ばれるエディで体を休め、ルートなどを読んでから急流に挑むことが技術のひとつとなっており、流れからエディに入ることを“エディキャッチ”と言う。同社では、アスリートの試合・練習の後や、働いて疲れた社会人などが、体を休めて回復させるシューズであることから、ブランド名に決めたという。


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