
上段:㊧ニンバスミライ、㊨ゲルソノマ 15-50、下段:㊧ゲルスプライト、㊨ディーエスライトプロシリーズ(画像は品番:1103A095)
アシックスは、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2024年度グッドデザイン賞」にランニングシューズ「NIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)」、スニーカー「GEL-SONOMA 15-50(ゲルソノマ 15-50)」、スケートボードシューズ「GEL-SPLYTE(ゲルスプライト)」、サッカーシューズ「DS LIGHT PRO SERIES(ディーエスライトプロシリーズ)」の4点が受賞し、このうちニンバスミライがグッドデザイン・ベスト100に、ニンバスミライとゲルソノマ 15-50がグッドデザイン賞審査委員セレクション「私の選んだ一品」に選出された。
グッドデザイン・ベスト100とは、2024年度グッドデザイン賞受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た100件。私の選んだ一品は、2024年度グッドデザイン賞審査委員が選ぶ、個人的なお気に入りや気になる受賞デザインを、審査委員のコメントとともに紹介するグッドデザイン賞の人気企画になっている。
ニンバスミライは、アシックスを代表するクッション性を重視した高機能モデルのひとつで、シューズの構造や各部位の役割を検証し、従来と同等の品質や性能を保ちながら、各素材をリサイクルできるようにしたのが特徴。ランナーとともに環境への意識を高めていけるよう、使ったシューズを回収する取り組みも同時に行っている。
今回、グッドデザイン賞審査員から「ランニングシューズの機能性は、多くのメーカーが追求し続けている。しかしそのシューズを履き終えた未来まではデザインできているだろうか。毎年大量に生産され、その95%がゴミとして埋め立てられたり、焼却されたりしているという現状を受け止め開発された『ニンバスミライ』は、エポックなプロダクトになるだろう。容易に解体しやすい接着剤を開発したことや、同一素材で製造されていること、回収し自社でリサイクル環境を整備したことに評価が集まった。履き心地は非常に軽く、履いているというよりも包まれているような感覚で、走り出したくなるものに仕上がっている。今後、すべてのシューズが同じサイクルに入れるような入口をデザインしたプロジェクトに、有機と勇気を感じる」と評価された。
また、「私の選んだ一品」選出審査委員の濱田芳治氏は「一般的なシューズには多様な素材が使われ、それらが接着剤で留められているため、素材毎に分別リサイクルができない。アシックス NIMBUS MIRAIはアッパー部分とソール部分を簡易に分別できる接着手法を新たに開発するなど、シューズのリサイクルにおける新たな可能性を社会に提示している」とコメントしている。
GEL-SONOMA 15-50は、日本の大手自動車部品メーカーの豊田合成が廃棄を予定していたエアバッグの生地を再利用したシューズ。同賞審査員から「廃棄される資材を主材として用いて、アップサイクルのプロダクトをつくることは、材料の有効利用という観点と、もう1つはユーザーにモノの廃棄の現状に関心を抱かせるという点において、社会に求められるアクションと言える。ゲルソノマ15-50は、異業種のアシックスと豊田合成の2社が組むことで製品化まで至ったアップサイクルの取り組み事例。自動車の製造工程で廃棄予定だったエアバッグ用のナイロン布地を活用し、シューズのアッパー部に転用させている。作りやすさや調達のしやすさから材料を選定するのではなく、創意工夫しながら資材を活かしていくモノづくりの姿勢に対して高い評価を集めた」と評価された。
また、「私の選んだ一品」選出審査委員の原田祐馬氏は「機能性の追求だけでなく、リユースできるものはリユースする。メーカーがみる近い未来が態度として感じられるシューズ。履きたいのに売っていないので再発売に期待したい」とコメントしている。