米国フットロッカー社がスニーカーショップ「アトモス」を買収――アジア太平洋地域での展開を加速へ
米国フットロッカー社(本社:ニューヨーク)は8月2日、スニーカーセレクトショップ「atmos(アトモス)」を展開するテクストトレーディングカンパニーを買収するための正式契約を、3億6000万㌦(1㌦109円換算で392億円)で締結した、と発表した。
フットロッカー社は、「フットロッカー」「キッズフットロッカー」「チャンプススポーツ」「イーストベイ」「フットアクション」「サイドステップ」などの業態で、北米やヨーロッパ、アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど世界27カ国に約3000の小売販売店を出店しているほか、ウェブサイトやモバイルアプリを通じ商品を提供している世界中のスニーカー市場と若者文化をリードしている。
一方atmosは、2000年に本明秀文氏によって設立されたテクストトレーディングカンパニーによって展開され、プレミアムスニーカーやアパレル、ブランドとのコラボレーションや限定品などを取り扱っている。世界に49店舗(うち日本は39店舗)を展開し、女性向けの「atmos BLUE」や「atmos PINK」など、異なる複数のコンセプトを持った店舗展開を特徴にする。
フットロッカー社では、atmosの買収によって、フットロッカーのグローバルなリーチが加速し、世界第3位の経済大国である日本で非常に戦略的な足場を築くと同時に、同社のプレミアムおよびトップクラスのサービスを拡充する、としている。atmosは、2020年度に約1億7500万㌦(約190億円)の収益を計上しており、その60%以上がデジタルチャネルを通じて生み出されている。今回の買収により、2021年のフットロッカーの1株当たり利益が増加すると予想される。
フットロッカー社のリチャードA.ジョンソン会長兼CEOは次のように述べている。「atmosは革新的なブランド・小売店であり、デジタルコミュニケーションなどを活用して、ヤングカルチャーやスニーカー文化に大きな影響力を持ち、業界でも独自のポジションを築いている。atmosとともに、急速な成長途上にあるアジア太平洋市場の拡大を加速化させる。ストリートウェアとスニーカーの文化で最も影響力のある人物の1人であり、アトモスの創設者である本明秀文氏と、彼が築きあげたatmosの従業員の皆さん、そしてその顧客をフットロッカーファミリーに迎えることを楽しみにしている」