ムーンスターが農業女子と共同開発したワークシューズ「レアリゼ」が好発進!開発担当の牟田さんに販売状況や今後の展開を聞く
「気持ちがアガる靴」をコンセプトに、農業女子に寄り添った作業靴を開発。“売り場には華やかさ”を、“農業女子には選ぶ楽しみ”を提供
ムーンスターが、2021年3月に農業女子向けのワークシューズとして展開をスタートした「realiser(レアリゼ)」。同ブランドは、農業女子、女子大学生、企業がプロジェクトチームをつくり、福岡県が推進する農業女子のニーズに応える商品を開発する事業にムーンスターがプロジェクト企業として参画したことをきっかけに開発された。
圃場や農業用品を販売するホームセンターを調査することからはじめ、農業女子へのヒヤリングやアンケートを行い、開発コンセプトを設定。日々の孤独ともいえる作業でも足元から楽しさと快適さをサポートし、履くと「気持ちがアガる靴」をコンセプトとし、さらに、明るいカラー展開とかわいらしいフォルムで“売り場には華やかさ”を、“農業女子へは選ぶ楽しさ”を提供できる靴にすることも開発テーマのひとつとした。
農業女子に試作品を履いてもらい、その使用感を確認しながら改良を重ね、機能性とデザイン性の両方を備え持ったレアリゼが誕生。機能性と、作業靴でありながらタウンユースとしても着用しやすいオシャレなデザイン性が評価され、農業女子をはじめガーデニングやアウトドアを楽しむ女性を中心に支持を広めている。発売から1年が経過したレアリゼの販売状況や今後の展開について、開発担当者の牟田祥一さんに話を聞いた。
シリーズ累計出荷数1万3000足強。ブランドのコンセプトに共感するショップとの取り組みを強化
・発売から1年が経過しましたが販売状況はいかがですか?
2022年4月末時点でシリーズ累計出荷数が1万3000足強となりました。当初の計画としては、新規取組みということから初回生産数を少し控えめにしましたが、予想を上回るご好評をいただいたことで8月には一部在庫切れが発生。年末には追加生産分を出荷し、以後安定的な供給ができるようになりました。
農業女子に特化したシューズは市場に少ないことや、福岡県の事業という点で開発ストーリー的にも訴求力が高いことから、様々な小売店から興味を持っていただき取扱店は徐々に広がりを見せているところです。
レアリゼは現在、接客を大切にされているシューズ専門店のほか、アパレル雑貨店やセレクトショップ、ワーク&アウトドアショップ、九州地区の一部のJA直売所、EC販売サイトなどでお取り扱いいただいております。
取扱店からは、「開発ストーリーや商品の特徴、着用シーンなど訴求ポイントが多く、さらに試し履きでその履き心地の良さをすぐに実感してもらうことができるため売りにつながっている」とご好評いただいております。

うなぎの寝床 ららぽーと福岡店のレアリゼコーナー。同店は福岡・九州を中心とした全国の”ものづくり”が買えるお店。ものを販売すると同時に、作られている土地性や歴史的背景、技術などもご紹介している
ユーザーの声としましては、シューズの柔らかさや軽さ、インソールのクッション性、街履きにも使えるデザイン性とカラーリング、サイズ展開(21.0~26.0㎝)が充実している点などについて評価をいただいております。
商品別の動向ですが、ロングブーツタイプは、農作業のほか、水回り作業時に使用される方が多く、カラーは汚れが目立ちにくい濃色系のソイルとオーシャンの2色が上位人気です。
ショートブーツタイプは、シリーズの中で最も人気が高く、ガーデニングのほかレイン需要が多い点が特徴です。カラーは、モス、アッシュ、定番のソイルが上位人気です。アッシュは、ガーデニング用シューズとしては市場にあまりないカラーのため注目されています。
クロスバンドタイプは、デザインの新規性や着用時のフィット感が好評でコアなユーザーに気に入っていただいております。果樹園など山あいの斜面での作業シーンのほか、キャンプをはじめアウトドアシーンやタウンユースとしてもご愛用いただいています。
ちなみにレアリゼのカラー表記は、自然を連想させるカラー名にしております。例えばブラウン系は、あえて土という意味を持つソイルと表記したほか、ネイビー系は深い海をイメージさせるオーシャンと表現するなど、カラー表記にもこだわりました。
農業団体のイベント参加や農業女子が集うSNSでのプレゼント企画実施など、ターゲット層にダイレクトにアプローチ。消費者とレアリゼの接点となる売り場づくりにも注力

自治体の農業者向け勉強会でレアリゼの魅力を伝えるムーンスター商品開発課の牟田祥―さん。今年もこのような勉強会やイベントに参加しレアリゼの認知、浸透に努めていく
・販促面ではどのような取り組みを行っていますか?
店頭装飾につきましては、共通の販促物を準備しているほか、各店舗の売り場に合わせて個別に対応しております。お客様にレアリゼを手に取っていただける売り場づくりをしっかりとバックアップしていきます。
販促活動としては、自治体やJAをはじめとした農業者向けの勉強会やイベントに積極的に参加し、直接、レアリゼの魅力や商品について説明を行っています。今年度もいくつかの団体からお声かけをいただいており、引き続きレアリゼの認知向上につとめていきます。
また、全国で活躍する農業女子とともに農業のイメージ向上や魅力発信に取り組んでいるプロジェクト「農GIRL×農LIFE」のインスタグラムで、2021年8月と2022年3月の2回、プレゼント企画に参加。それぞれ600件以上の応募をいただきました。「ピンク色の長靴を履いてテンション上げたい」、「トマト栽培が始まるので、かわいいブーツで気分を上げて頑張りたい」などレアリゼのコンセプトに共感してくださる応募者の声が多く寄せられ、ターゲット層にダイレクトに訴求することができたと実感しております。
ロングブーツタイプのユニセックスモデルを8月に発売。家族でのコーディネートにも対応
・今後の展開について。
8月に新製品として、ロングブーツタイプの胴まわりを現行モデルよりゆったりめに設計したユニセックスモデルを発売します。この商品は、「もうすこし胴まわりにゆとりがある長靴が欲しい」、「男性用はないの?」、「主人や家族とコーディネートを楽しみたい」といった農業者の声を反映し提案したものです。開発には、農業女子のご主人様にご協力いただきまして、数ヶ月単位で試し履きをしていただき、着用感を確認しながらつくりあげていきました。
実際に私も、洗車や自宅の庭掃除、潮干狩りなど様々なシーンで着用してみましたが、軽く、履き心地もいいため、足元を気にすることなく、作業に集中することができました。自信をもっておすすめできる新製品になっております。
ここ数年、家庭菜園や農家さんから畑を借りて野菜づくりを楽しむ市民農園を始める方が増えていますが、そういう方々にも、かわいらしく、気持ちがアガるレアリゼをぜひ活用していただきたいと思っております。また、近年増えている大雨や地震などの自然災害の備えとしても提案していきたいと思います。
開発のきっかけは農業女子に向けた商品ではございますが、たくさんの方に愛され、皆様の毎日に少しでも寄り添える靴になってくれたらと願っております。
【レアリゼの商品ラインアップ紹介】
農業女子の意見を取り入れ開発した3タイプのシューズを展開
レアリゼは、使用シーンに合わせた機能を搭載した、ロングブーツタイプ(MS RLS01)、ショートブーツタイプ(MS RLS02)、クロスバンドタイプ(MS RLS03)の3型をラインアップしている。
畑仕事や水回り作業に適したロングブーツタイプは、胴部分は柔らかく設計しているため、しゃがんで行う作業の時も快適に使用できる。価格は5940円(税込)。サイズは21.0~26.0㎝(ハーフサイズなし)。カラーはオーシャン、ソイル、コーラル、ミントの4色展開。

MS RLS01 5940円(税込)/カラーは(左から)オーシャン、ソイル、コーラル、ミントの4色展開
ショートブーツタイプは、サイドゴア仕様で着脱しやすくガーデニングや梅雨時期のシーンにもおすすめのアイテム。価格は5390円(税込)。サイズは21.0~26.0㎝(ハーフサイズなし)。カラーはアッシュ、ピンク、ソイル、モスの4色展開。

MS RLS02 5390円(税込)/カラーは(左から)アッシュ、ピンク、ソイル、モスの4色展開
そして、山あいの斜面を活用した果樹園などでの作業に適しているクロスバンドタイプは、足先から足首までバンドでしっかりホールドした仕様で、斜面の上り下り、木登りなどの作業に使用できる。価格は4950円(税込)。サイズは21.0~26.0㎝(ハーフサイズなし)。カラーはリーフ、アッシュの2色展開。

MS RLS03 4950円(税込)/カラーは(左から)リーフ、アッシュの2色展開
レアリゼのすべての商品には、①波底意匠と薄目のソール②3層構造の低反発ソール③Ag+抗菌防臭の3つの快適機能が標準装備されている。