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2024年04月23日

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連載【いちがいもんの独り言55】 立ったまま履ける靴、絶賛増殖中!

30年ぐらい昔、スポーツ用品メーカーがシューズ業界に新規参入するにあたり、紐靴のウォーキングシューズにファスナーをつけて売り出しました。


履く時に紐をきっちり締めないと足に問題を起こすことが広く認知されている欧米では、紐靴にファスナーをつけるという選択はありません。日本でも、古参のシューズメーカーは大人の紐靴にファスナーはつけていませんでした。


しかし、新規参入メーカーが、ウォーキングシューズにファスナーをつけて大々的に売り出して売れたために、各社一斉にファスナーをつけるようになりました。そのせいで靴文化が後退したと言うのは言い過ぎでしょうか⁉︎


そしてまた、同じような“目先の楽”をアピールすることが起きているようです。


踵(かかと)の履き口を受け口にして、すぽっと足を入れやすい。それ自体はまだいいのですが…。こんなセールストークをつけるとは…、「立ったまま履ける。手を使わずに履ける」。


仕事でどうしても急いで脱ぎ履きが多いとか、身体的に不自由で紐を締めたり座ったりが困難という方はわかります。しかし、「めんどくさいから」という理由では大きな損をします。こんな横着を誘うようなセールストークだけが堂々とされている靴業界、ほんとうに残念です。


ちょっと紐を締めたり、靴べらを使わないと履きにくいというのが、本当の意味で快適になるのに。そんなフォローも付け加えて欲しい。


拘った細部の作りもあるようですが、履き口を受け口にするだけではなく、脱ぎ履きしやすくて、なおかつ踵のホールド感を上げる技術は別にあります。


誰にでも、は言いませんが、自社で研究開発ができ、よりフィット感が良い脱ぎ履き簡単シューズの製品化を目指す方にはヒントをお伝えします。


【松下誠氏のプロフィール】
シューズコンフォートアドバイザー。広島県福山市でシューズの販売を通して足と靴に関するアドバイスを行っている「シューズラボCue(キュー)」を経営。なお、“いちがいもん”とは広島の方言で「頑固者」を指す。


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