2024年7月30日 サステナビリティ 「オン」がアッパー製造の新技術、LightSpray(ライトスプレー)を発表――ランニングシューズCloudboom Strike LS」を国内でも販売へ オン・ジャパンは、スイスのスポーツブランド「On(オン)」のパフォーマンスシューズにおける新たなアッパー製造技術「LightSpray(ライトスプレー)」を7月15日(月)に発表した。 チューリッヒのOn Labsで、先進的な社内チームにより開発されたこの技術は、スポーツシューズの常識を覆す製造工程とパフォーマンスを可能にする。この技術を採用した最初のシューズが、ランニング用の「Cloudboom Strike LS」。LightSprayアッパーは、自動化されたロボットアームを使用することで、たった1つの工程で正確かつ、片足のアッパーを3分という高速で製造することが可能。約170gの超軽量立体成型のため、極薄でシームレス、シューレースも不要。足にぴったりフィットしてサポートするので、走ることだけに集中できるレースの日に最適な履き心地。 LightSprayの画期的な単一工程は、将来的に製品生産におけるサステナビリティへの道を切り拓く。完全に自動化された工程で廃棄物を減らし、CO2排出量もOnの他のレーシングシューズと比較して75%削減。工程数を減らすことで、高性能シューズ製造の高速化が可能になるだけでなく、製造の現地化も視野に入れることができる。さらに、再生利用可能な単一素材を接着剤不要の方法で結合しているため、今後、循環型製造や循環型製品へ応用が考えられる。 Onのマーク・マウラー共同CEOは、「LightSprayはOnにとって非常に大きなマイルストーン。高性能な製品を作ることだけでなく、サステナビリティや循環型のモノづくりにおいても大きく前進できる可能性を秘めている。私たちのチームは常に自らに挑み、パフォーマンススポーツギアの設計、開発、製造において、現状にチャレンジし続けている。LightSprayは、私たちがイノベーション、デザイン、環境・社会へのインパクトに根差し、最もプレミアムなスポーツブランドへの成長を目指すうえで、大きな推進力となるはず」と述べている。 Cloudboom Strike LSのミッドソールは、Helion HFハイパーフォームを2層に重ねた構造。40%がバイオベース原料からできた高反発のPebax製で、優れた衝撃吸収力とエネルギーリターンを実現。このフォームに、あらかじめ成型された高剛性のカーボン製Speedboardを挟む込むことで、ストライドごとに推進力を発揮する。アウトソールはコンピューターを活用した設計でトラクションを最適化。ランナーの足裏の圧力分布マップデータに基づいて接地面積を増やしつつ、軽量化に成功している。接着剤不要の製造方法で作られているCloudBoom Strike LSは、インソールも中敷もなく、足が直接Helion HFハイパーフォームに接するため、エネルギーロスがない。メンズの重量は約170g、ウィメンズの重量は約158g、ドロップは4㎜で、価格は4万4000円(税込)。 LightSprayの技術とCloudboom Strike LSの設計やテストには、Onのアスリートたちも深く関わっている。 4度の世界優勝に加え、ボストンとニューヨークの両マラソン大会で優勝しているヘレン・オビリ選手は、開発段階のCloudboom Strike LSを履いて、ボストンのマラソン大会で2冠を果たした。 また、7月27日から8月10日に開催されるOn Labs Paris(27 Bd Jules Ferry, 7501, Paris)では、LightSpray技術によるアッパーの製造を直に見ることができる。Cloudboom Strike LSは、4月に初公開され発売、次回は2024年秋冬シーズンに国内でも販売予定。