キーン社、シューズの撥水加工工程からフッ素化合物を排除する製造過程を一般公開しPFCフリーの実現を呼びかける
アウトドアフットウェアブランド「キーン」で2003年に創業したKEEN Inc.(米国)は、環境保護、気候正義、災害支援、ジェンダー平等など社会正義への取り組みを「キーン・エフェクト」と呼んで、この活動の推進にコミットしている。
2012年からは、“Detox the Planetイニシアティブ”をスタートさせ、サプライチェーンから有害な化学物質を特定・除去し、それらを安全かつ効果的な他の手段に置き換えるという、環境負荷を最小限にした製品づくりを積極的に行っている。また、同社の靴を製造する労働者の福祉やコミュニティの改善も目指している。
そして2021年4月、地球環境を考えて地球をデトックスするDetox the Planet月間を実施し、その第1弾としてフットウェアの撥水プロセスから有害化学物質であるPFCs(フッ素化合物の総称)を排除するPFC-FREEのフットウェア製造過程をGREEN PAPERとして一般公開し、アウトドア・フットウェア業界に対し、2025年までにPFC-FREEの実現を呼び掛けている。
PFCs(パーフルオロケミカル)は、PFAS(パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質)という名称でも知られる約5000種のフッ素化合物の総称。自然界で分解されにくいフォーエバーケミカルとも呼ばれている。
これらは多くの場合、汚染された水や廃棄物を通じて環境中に残留し、食物連鎖にも入り込んでいる。現在では、ファストフードの包装紙や飲料水、アウトドアウェアやシューズに使われる耐久撥水加工(DWR)まであらゆるものに含まれ、エベレストのベースキャンプからヒトの母乳まで、どこでも見つかるという。
キーンフットウェアでは95%以上でPFC-FREEを実現