
江本氏がK2登頂チャレンジで着用しているシューズとソール
ヴィブラムジャパンは、6月21日から国際山岳ガイドの江本悠滋氏とアスリート契約を締結した。
Vibramは、2011年から本国および各国の拠点で、トレイルランニングやマウンテニアリング、クライミングなど、さまざまなアウトドア分野のアスリートを支援し、‟TEAM VIBRAM(チームヴィブラム)”と呼ばれるグローバルアスリートコミュニティを形成してきた。
このコミュニティは、単に有名選手と契約するためのものではなく、トップアスリートからアマチュアまで、現場のリアルな声を製品開発に反映させる“進化の場”として機能。分野を超えたアスリート同士の交流や意見交換が活発に行われることで、互いに学び、成長していくことがTEAM VIBRAMの大きな価値と考えている。
江本悠滋氏は、国際山岳ガイド連盟(IFMGA)認定のプロフェッショナルとして、日本を拠点にヒマラヤやアルプスなど世界各地で登山活動を展開。未踏峰や極地への挑戦を続けながら、アウトドア教育や環境保全にも力を注ぎ、‟これからの登山のあり方”を常に問い続ける存在。
現在、江本氏が挑んでいるのは、世界第2位の高峰、K2(標高8611m)における無酸素・自力登頂、そしてパラグライダーによる滑空下山と、かつて誰も達成したことのないプロジェクト。酸素ボンベやサポートに頼らず、自らの力と判断で山に挑むこのスタイルは、Vibramが大切にしている‟フェアで、人力による、環境に配慮した登山”の価値観と深く通じ合うもの。
この挑戦は、江本氏個人の冒険にとどまらず、TEAM VIBRAMに所属する他のアスリートたちにも大きな刺激と学びをもたらすプロジェクトになる。ヴィブラムジャパンにとって江本氏との契約は、単なるアスリート支援ではなく、“ともに未来の登山の姿を描き、実践する”共創プロジェクトであり、ヴィブラムジャパンは「江本氏が世界で活躍するアスリートたちと刺激を与え合いながら、さらなる挑戦を続けていくことを心から願っている。過酷な環境下でこそ力を発揮するソールの力を通じて、彼のパフォーマンスを足元から支え、これからも“限界を超える一歩”に寄り添っていく」としている。
江本氏がK2登頂チャレンジで着用しているソール(シューズ)は、ヴィブラムの高性能ソールを搭載した「Millet(ミレー)EVEREST SUMMIT GORE-TEX」。このモデルには、軽量かつクッション性に優れた「8303 Betulla」というMorflexコンパウンドのソールを採用し、高所での長時間行動にも対応する快適性を確保している。
さらに、つま先部分には、繊細なフットワークが求められる岩場やクライミングセクションで性能を発揮する、ヴィブラムの高グリップコンパウンド「XS GRIP」のクライミングゾーンを追加。この仕様は、岩稜帯やテクニカルなルートで求められる機動力・精度・安全性を支える、江本氏のスタイルに最適な設計となっている。
江本悠滋氏は、1976年12月24日生まれ、愛知県名古屋市出身、48歳。長野県白馬村およびフランス・アヌシー在住。幼少より競技スキーに打ち込み、高校時代に単身フランス留学。アルペンスキーレーサーとしてFISレース等に出場後、フランス国立スキー登山学校(ENSA)に進学。日本人唯一のフランス国家山岳ガイド資格保持者(2002年取得)。
主な活動としては、ヨーロッパアルプス、ヒマラヤ、日本アルプスなどでの登山、バックカントリーガイド。パラグライダーを組み合わせた人力縦断、山岳アドベンチャーにも挑戦。代表的な挑戦・実績には、バフィン島 NHK 北極圏の大岩壁に出演(2005年)、Red Bull X-Alps完走(2023年)、K2(8611m)無酸素登頂&パラグライダー滑空下山プロジェクトに挑戦中(2025年)。フリークライミング最高グレードは8b+/5.14a、アイスクライミング M12。