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2025年04月18日

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笹川スポーツ財団、ポストコロナ社会における「スポーツライフ」の現状を調査・分析――国民の3割が過去1年間まったく運動・スポーツをしていないという結果に



笹川スポーツ財団(東京都港区、渡邉一利理事長、以下SSF)は、頻度・時間・運動強度からみたSSF独自の指標である「運動・スポーツ実施レベル」を始め、スポーツ観戦率や好きなスポーツ選手など、2024年のスポーツライフに関する調査を全国の18歳以上の男女3000人に実施し、その結果を発表した。SSFは、1992年から同調査を隔年で実施しており、その結果を公表している。今回の調査は2024年6~7月に実施した。


「する」スポーツの代表的指標である運動・スポーツ実施率については、年1回以上の運動・スポーツ実施率は69.8%となり、2006年以来の6割台に減少した。コロナ禍以降、身近な場所で一人でも実施できる散歩、筋トレなどエクササイズ系種目の実施率は高く、実施場所も道路や自宅の利用率が高いという。一方で、スポーツクラブ・同好会・チーム加入率は全体で15.2%と調査開始以降最も低い水準を記録した。



運動・スポーツ実施レベルの年次推移をみると、「レベル4」(アクティブ・スポーツ人口)は、1994年調査の7.6%から漸次増加し、2012年では20.0%に達した。2018年は20.7%、2020年の22.1%で過去最高を示したが、2024年は18.3%だった。運動強度・時間に関係なく、週2回以上運動・スポーツを行う「レベル2」は9.4%と、1994年調査以降6~10%の間を推移しており、コロナ禍前の2018年9.5%から横ばいで推移している。



過去1年間にまったく運動・スポーツを実施しなかった「レベル0」は、1994年は50. 1%と全体の半数を占めていたが、2022年は4分の1程度まで減少した。しかし2024年は30.2%に増え2006年以来の3割超えとなった。


「みる」スポーツは、直接観戦率が26.2%となり2022年調査から6.9ポイント増加し2割台に戻った。テレビ観戦率は79.0%と2020年調査以降横ばいで推移している。インターネット観戦率は2022年調査から2.6ポイント増の24.2%となり、種目別では格闘技が6.6%で1位となった。


「ささえる」スポーツは、スポーツボランティア実施率が2022年の4.2%から1.2ポイント増の5.4%となった。


これらの結果からSSFスポーツ政策研究所シニア政策オフィサーの水野陽介さんは「コロナ禍を経たスポーツライフの現状は、全体として大きな回復の兆しはみられていない。仕事や学校が通常の動きを取り戻したことによって家庭での生活を含め多くの人がより時間に追われ、「する・みる・ささえる」すべてにおいて関わる余裕がない可能性が高い。一方でコロナ禍を契機として、運動・スポーツに参画しやすい環境やサービスの拡充も進んでいる。それらを有効活用し、限られた時間の中で少しでも身体を動かしたり、観戦を楽しんだり、活動をサポートしたりすることで心身ともにより健やかな生活を送れる社会の実現に向けたターニングポイントとなり得る結果とみている」と考察している。


また、スポーツ実施率とスポーツクラブ・同好会・チーム加入率の低下要因について、SSFスポーツライフ調査委員会委員で東京大学大学院医学系研究科准教授の鎌田真光さんは、「背景の要因はさまざまなものが影響しているため特定することはかなり難しいが、実施率の低下の要因として考えられるものとしては、身体を動かさなくても時間を過ごすことができるもの、たとえばスマートフォンで完結するエンターテイメントなどにかける時間は増えていることなどが影響しているかもしれない。また、加入率については、本当はやりたいけれど、社会、経済的な要因でできないという方々のニーズを満たせていないことも考えられる。それらを丁寧に把握して、取り組みをしていくことが求められる」とコメントした。


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