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2024年04月24日

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連載【いちがいもんの独り言⑨】防水を謳う製品はきっちり説明を!

「防水仕様」とか「防水設計」のタグ、シューズでもよく見かけます。地面から4cm・5cm、あるいは4時間・5時間・8時間防水と謳っているタグ。しかし、私は突っ込みを入れたい! その深さの水に浸かったままじっとしているわけないじゃん! もっと現実的な内容にしてよ…と。「完全防水」と謳うのはリスクがあります。でも、「防水」と入ったタグは付けたい。そんなところが見え隠れします。


昔、私は最も有名な透湿防水フィルムを使ったシューズを、デザインから原型作成、試作、原価管理、さらにその素材メーカーから生産許可をもらうための認証取得まで、一貫して担当していました。30年近く経ちますが、当時からその素材メーカーの考え方は凄いものでした。


自社素材を使用した最終製品には、その素材名を必ず表記するとともに、生産工程まで立ち入り、最終製品まで管理し、完成製品としての高品質を保つというものでした。


シーリング加工の精度、成型時にキズが入っていないか、透湿性を損なわない製品になっているか…等々。さらに実際、雨の中で歩くことをシミュレーションして、靴で何十万回もの水中屈曲テストを課すなど、アイテムごとに認証を受けてから生産が始まります。


本生産でも、工程ごとにその素材メーカーが立ち入り、製品も試作品と同様にテストされます。問題が少しでもあれば、生産が止まります。徹底したユーザー視点、それはほんとうに辛かったです。しかし、これほど信頼できるブランドはないと思います。


そこで、メーカーさんにお願いします。「防水」を謳う製品については、展示会で開発担当者が必ず立会い、分解モデルを用意して、どのような仕様なのか、検証はどうしているのか、きっちり説明できるようにしてください。メーカーの信用をしっかりアピールしてください。


「消費者にはどうせ分からん」ではなく、「どうやったら分かってもらえるか?」。まず展示会でバイヤーに本気で売り込んでください。


【松下 誠氏のプロフィール】

シューズコンフォートアドバイザー。広島県福山市でコンフォートシューズの販売を通して足と靴に関するアドバイスを行っている「シューズラボキュー」を経営。なお、“いちがいもん”とは広島の方言で「頑固者」を指す。


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