メタスピードの発表に登場したアシックス廣田康人代表取締役社長COO㊥、アシックススポーツ工学研究所フューチャークリエーション部の谷口憲彦氏㊨、アシックス パフォーマンスランニングフットウエア統括部の竹村周平氏㊧
ストライド型、ピッチ型の各走法に対応する2つのモデルを開発
アシックスは3月30日、川内優輝選手が今年2月のびわ湖毎日マラソンで8年ぶりに自己記録を更新、初の2時間7分台を出した際に履いた(当時はプロトタイプを着用)ランニングシューズ「METASPEED(メタスピード)」シリーズを発表し、3月31日から同社オンラインストアで先行発売、4月9日からは一部の同社直営店および全国のスポーツ用品店で順次発売する。
長距離走における走法は、スピードを上げるに従って主に歩幅(ステップ長)が変化するストライド型と、歩幅も足の回転数(ピッチ)も変化するピッチ型に分類できる。メタスピードシリーズの特徴は、このストライド型とピッチ型の2つの走法に応じて、2つのモデルをそれぞれ設計したこと。
どちらにも同社の軽量フォーム素材の中で最も反発性を発揮する「FF BLASTTURBO(FFブラストターボ)」をミッドソール全面に使用し、軽量カーボンプレートを搭載。さらに靴底前部にカーブをつけることで少ないエネルギーで足を前に運べるようにしている。
ストライド走法のランナーに対応するメタスピード スカイ。川内選手はこのモデルを履いている
ストライド型ランナーに対応する「METASPEED Sky(メタスピードスカイ)」は、FFブラストターボを厚めに配し、踵部から前部にかけて5㎜の傾斜差をつけることで反発性をできる限り高め、歩幅を伸ばす設計。ピッチ型ランナーに対応する「METASPEED Edge(メタスピードエッジ)」は、FFブラストターボの厚みを抑え、踵部から前部にかけて8㎜の傾斜差をつけることで反発性を高めつつピッチをコントロールしやすくしている。ともにアッパーには100%リサイクルポリエステルを使用したエンジニアードメッシュを採用している。男性用、女性用があり、価格はともに2万7500円(税込)。
アシックススポーツ工学研究所では、ヒューマンセントリックデザイン(人間中心設計)を重視した研究とモノづくりを行っており、METASPEEDは研究開発からマーティングまで、組織を横断した特別なプロジェクトチームを結成してつくりあげた。
2つのシューズは、ランナーのことをとことん考えてつくられており、METASPEED Skyは、フルマラソンをゴールするために必要な歩数の1.2%(約350歩)少なく、METASPEED Edgeは2.6%(約750歩)少ない歩数で完走できるという。
川内優輝選手の話 2020年のロンドンマラソンでのサラ・ホール選手の走りを見てメタスピードを履こうと思い、2カ月間練習してからびわ湖で使った。前半、呼吸が乱れず、1㎞3分が楽に感じられスピードに対応できた」