shoespost

 

 

Shoespost-online

2024年04月27日

Shoespost-online

2024年04月27日

人と環境に優しい「日本エコレザー」が2024年4月申請分から改訂版の「日本エコレザー(JEL=Japan Eco Leather)」に―――ロゴマークも変更

「日本エコレザー」の新ロゴ㊨

「日本エコレザー」は‟品質認定“と‟環境認定”を兼ね備え、認定事業開始から1200件の革・革製品が認定されている



近年、身の回りの物すべてにおいて、環境への配慮が重要視されてきている。とくに日常生活でエコフレンドリーなアイテムを使うことに価値を感じる若い世代が増えている。こうしたグローバル規模での社会情勢の変化を踏まえ、1990年代の半ばから欧州を中心に「エコレザー」が普及・発展し、今日では世界的なトレンドになっている。


これに合わせて、日本の皮革業界も消費者に安全・安心な革と革製品を届けるために「エコレザー」への取り組みをスタートし、2006年にNPO法人日本皮革技術協会と一般社団法人日本タンナーズ協会が協力して「日本エコレザー基準」が制定され、2009年から始まった日本エコレザー認定事業を、一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)が運営している。2024年2月時点で「日本エコレザー」に認定されているのは、1223件(革845、認定革を使った革製品378)ある。


日本皮革産業連合会(JLIA)では「素材や製品に対する安心・安全が注目され、日本エコレザーの認定件数も毎年、順調に増えてきている」としたうえで、世界的に環境に対する目が厳しくなってきていること、また急増するインバウンド(訪日外国人)も付加価値が高く環境問題もクリアしたものを求めていること、さらに日本企業が海外市場へ展開する際にも品質試験評価は必須条件となっているという認識の下、2023年度に世界的な化学物質の規制動向を踏まえて分析項目の見直しなどを行い、2024年4月申請分から「日本エコレザー(JEL=Japan Eco Leather)認定事業」に改訂し、ロゴも変更する。

「日本エコレザー」認定ラベル(JELラベル)は“Japan Eco Leather”の頭文字の「J」「E」「L」をひとつのシンボルとし、また日本の「日」も表現している。表側にロゴと英文表記の文字、裏側または添付ラベルに認定番号、認定年月日、認定革の製造国、認定革の使用部分、ラベル主旨、詳細が掲示されているウェブサイト等が記載される。「日本エコレザー」認定ラベルの「SILVER(シルバー)」㊧と「BRONZE(ブロンズ)」㊨



排水、廃棄物処理の管理が適切で使用化学物質の基準等をクリアした天然皮革のみが「日本エコレザー」に認定される


「日本エコレザー」とは、日本エコレザー基準に適合し、「製品の製造・輸送・販売・再利用」までの一連のライフサイクルのなかで環境負荷の低減に配慮し、環境面への影響が少ないと認められた革のことをいう。


主な認定要件は、①天然皮革であること(JIS K 6556-1に規定する革の定義およびISO 15115:2019 Leather- Vocabulary に基づく。ただし、仕上げ・塗装膜厚が0.15㎜以下のものに限る。また、皮・革を粉砕または分解、溶解し、樹脂などで接着・整形したものについては革として認められない)、②適切に入手された原料皮から、排水・廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること。③臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・溶出金属・鉛含有量・特定芳香族アミン・ノニルフェノール・ノニルフェノールエトキシレート・短鎖塩素化パラフィン(C10-C13))および摩擦に対する染色堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること、並びに発がん性染料・指定する化学物質を使用していないこと。「日本エコレザー」認定基準の詳細はこちら

「日本エコレザー」の新ロゴ㊨と現行ロゴ㊧。なお、現行ロゴは、その革や革製品のJESラベル使用契約の期限まで使える



「日本エコレザー」に認定された革・革製品には「JELラベル」を付けることができる――移行期間中は申請料が無料に


2024年4月からスタートする改訂版の日本エコレザー認定事業(JEL)は、革の化学物質検査の基準値などにより、認定レベルが「シルバー」と「ブロンズ」へ変更となり、申請書も新様式に変更される。日本皮革産業連合会では、将来的にはさらに検査基準の厳しい「ゴールド」の認定レベルも設けることも考えている。


「日本エコレザー」認定の有効期間は3年間で、申請料は3万円(ただし、移行期間として2027年3月31日までは無料)、別途試験機関への化学物質検査料(7~17万円程度)が必要となる。また、1件につき化学物質検査費用の2/3まで(上限10万円)、奨励金を申請できる(日本製の革に限る、消費税は対象外、奨励金の予算がなくなり次第、その年度の交付は終了する)。なお、認定期限までに更新手続きを行うことができ、更新が認められた場合は当初の認定番号が使用できる。


日本エコレザー基準に適合した革およびその革を使用した革製品には、「JELラベル」を付けることができる。ラベルの申請料金は1点1万円。ただし、移行期間として2027年3月31日までは無料としている。

「日本エコレザー」の認定革を使用したリーガルコーポレーションの「REGAL(リーガル)」ブランドの革靴

「日本エコレザー」認定の申請ができるのは、革製造業者、革販売業者、革製品製造業者および革製品販売業者。ただし、革製造業者以外が申請する場合は、申請する革の製造業者を明らかにする必要があり、その業者による「指定の発がん性染料の不使用」および「指定の化学物質の不使用」並びに「革製造排水および廃棄物の適正処理の遵守」、「全使用薬品の届出・安全データシート(SDS)」などの証明書類と宣言書類が必要になる。申請は、日本製の革でも外国製の革でも可能だが、上記と同様に革製造業者による指定の証明書類と宣言書類が必要になる。


なお、申請等の審査は一般社団法人日本皮革産業連合会の日本エコレザー審査分科会が審査する。委員は利害関係のない第三者によって構成されている。また、革の化学物質検査機関(参考)はこちら


「日本エコレザー」認定の申請は、年間を通じて受け付けており、認定は年6回で今年4月以降のおおよそのスケジュールは以下の通り。


・4月中旬締め切り⇒4月末審査5月下旬認定
・6月中旬締め切り⇒6月末審査7月下旬認定
・8月中旬締め切り⇒8月末審査9月下旬認定
・10月中旬締め切り⇒10月末審査11月下旬認定
・12月中旬締め切り⇒12月末審査1月下旬認定


■問い合わせ先=一般社団法人日本皮革産業連合会 エコレザー担当(〒111-0043 東京都台東区駒形1-12-13 皮革健保会館7階、TEL:03-3847-1451、FAX:03-3847-1510、e-mail:eco@jlia.or.jp)



関連記事


注目記事


商品特集

商品特集


連載

  • いちがいもんの独り言
  • フィッティングの技法
  • トレンドを俯瞰する
  • シューズビジネスを考える

有料会員限定記事


カテゴリー別記事

企業

業界

商品

マーケット

サステナビリティ

インタビュー

決算

人事

PAGE TOP