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2024年07月17日

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【ムーンスター150周年特別企画②】井田祥一社長が150年の想いや歴史のなかでのエポックを語る



ムーンスターは2023年10月20日、1873年の創業から150周年を迎えた。創業者の倉田雲平氏から数えて16代目の社長にあたる井田祥一氏に、150周年の想いや、これから先のムーンスターの在り方などを聞いた。


大正時代に日本でスニーカーの原点を初めて作り上げたムーンスター


■150周年を迎えての率直な気持ちとムーンスターの歴史の中でエポックとなった事象は。


100年以上続く企業というのは、日本の法人全体の2~3%と言われているように、150年を迎えられたというのは一企業としてだけの話ではなく、日本の歴史とともに歩んできたとも言えることであり、数字の重さを感じているところです。


当社の150年の社史をことあるごとに読み返していますが、明治時代の創業期の方々は、我々よりもアントレプレナーの気質を持ち合わせていて、あっと驚くような企画を次々に打ち出し、とても革新性に満ちていたと感心しています。


私は1983(昭和63)年、ちょうど創業110周年の年にムーンスター(当時月星化成)に入社し、それから40年。当社の歴史の4分の1以上をリアルタイムで過ごしたことになりますが、あっという間だったというのが率直な気持ちです。


ムーンスターとしては、日本が近代化するなかで、大正時代に当社がスニーカーの原点を初めてつくり上げたことは靴産業にとってのエポックだったと思います。そして昭和の時代には戦後の復興から高度成長のなかで、当社も売上げが大きく拡大したことがあげられるでしょう。


1960年代には労働集約型産業の花形である輸出貢献企業として表彰された一方、その後は輸入が多くなって貿易に貢献したように、日本の産業の移り変わりと相似形で会社が動いてきました。入社してからの40年で言いますと、バブルが始まる直前に入社して、始めは良い時期を過ごしましたが、靴業界の潮目が変わって徐々に売上げが右肩下がりになっていきました。質的には感度の高い商品をつくり若い人に支持されるようになり、ブランディングを強化してブランドの認知度は上がってきましたが、売上規模については縮小していった、という反省も残ります。


井田社長――2000年代に靴産業の構造の転換期を経験、その後のビジョンの構築につなげる


■井田社長にとってのトピックスとして思い出されることは。


2000年代が思い起こされます。2000年12月に靴のマルトミが破綻し、量を売っていく靴産業の構造が転換期を迎えました。また、2001年には米コンバース社が米連邦破産法11条(チャプター11、日本で言うところの民事再生法)の適用を申請しました。コンバース製品が北米製からインドネシアに産地を切り替えたことで利益は上がりましたが、2005年には契約が変わり、稼ぎ頭がなくなるということも経験しました。この2つが事業構造の変化としては、一番大きな潮目であったと感じています。


その後もリーマンショックやコロナ禍などがありましたが、それ以上に事業構造が大きく変わったという意味では、この2000年代の事象が大きかったと思います。


靴のマルトミの破綻とコンバースショック、そしてリーマンショックとその後の急激な円高、コロナ禍とその後の急激な円安といったように、社会環境に業績が左右されてきたことは反省しなくてはならないところです。


■コロナ禍の影響について。


そんなに長くは続かないとは思っていましたが、衝撃的でした。目先のことに予測がつかなくなり、思考が停止しました。一方で、コロナ禍によって業務の効率化は進みました。会議や全体集会、式典などは選別して行うようになりましたし、リモートワークを取り入れることで従業員にとっての負荷の軽減にもつながりました。


逆に変化しなかったのは、当社のコアな魅力である国内生産やお客様に寄り添った直営店での販売などで、コロナ禍を経験しても「MOONSTAR Factory Ginza」(現在はMOONSTAR Jiyugaokaとして自由が丘に移転)、「ALSO MOONSTAR」(福岡)の直営店の売上げは微増を続けていましたし、国内生産はフル稼働でした。また、子ども靴専門店のゲンキ・キッズの来店客数も落ちませんでした。コロナ禍においても、これらの事業をきちんとやり切れたことは自信につながっています。


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