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2024年04月30日

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楽歩堂、2020年から輸入販売しているサステナブルな「ICEBUG(アイスバグ)」の新製品を発売

ランニングシューズ「Aura RB9X」㊧とウォーキングシューズの「Aura ReWool RB9X」㊨

全国に約30の店舗とオンラインショップを運営する健康靴の製造小売会社の楽歩堂は、3月中旬から環境先進国スウェーデンのサステナブルフットウェアブランド「ICEBUG(アイスバグ)」の新製品2種3アイテムの輸入販売を開始した。新製品の最大の特徴は、リサイクルウールなど、より環境負荷を抑えたサステナブル素材を利用しながらも、マシュマロのような高いクッション性能を実現したこと。


2022年7月に実施された民間調査によると、日本でサステナビリティに配慮したスポーツシューズ・スニーカーを「購入したい/とても購入したい」と答えた消費者は全体の11%で、若年層ではこの割合が16%だった。最も多かったのは「ある程度は購入したいと思う」という消極的支持層で、全体の40%を占めた(NPD Japan=エヌピーディー・ジャパン調べ)。


この調査結果から、サステナビリティが日本人の大多数の消費者行動にまだ結びついていないことがわかる。どんなにサステナブルな製品であっても、日本では性能や履き心地・品質が良くなければ消費者に選ばれないことも事実。裏を返せば、まったくサステナブルな製品ではなくても、性能や履き心地が良ければ売れてしまうという現実もある。


靴はやがてゴミとなり、環境汚染の要因ともなる。北欧ではサステナブルが企業活動の重要なファクターになっており、とくにICEBUG社はサステナブルを企業活動の最重要課題に位置付けている。単にウールやリサイクル素材を使用したシューズブランドは多数あるが、ICEBUGの特筆すべきところは製品の完成度が他のサステナブルブランドより非常に高いこと。優れたランニング・ウォーキング性能を保持しながら、サステナブルな生産プロセスを実現し、追求している。楽歩堂では、「ICEBUG社の取り組みは今後の靴生産・供給のあり方の理想形であり、その理念に大いに賛同している」としている。


そこで今回、こうした取り組みが結集している製品の販売を決定した。輸入販売する新製品は、ウォーキングシューズ「Aura ReWool(オーラ リウール)RB9X」(ユニセックス、カラー1色)とランニングシューズ「Aura(オーラ)RB9X」(メンズ・レディス、カラー2色)の2種3アイテム。


「Aura ReWool RB9X」のミッドソールには、通常のEVAよりも化学物質が少ない素材を使用、アウトソールのラバーは、天然ゴム27%とリサイクルゴム15%を使用。カップインソールには、ヒマシ油由来の7%のバイオオイル、43%のリサイクルされた製造廃棄物フォーム、7%のリサイクルラバーをブレンドしている。アッパーの50%は、リサイクルメリノウールで、耐久性を高めるために50%のリサイクルポリエステルを配合した。


「Aura RB9X」のミッドソールとアウトソール、カップインソールは、「Aura ReWool RB9X」と同様の素材を使用し、アッパーは100%リサイクルされたGRS(Global Recycled Standard)認定のPET再生ポリエステルでつくられている。


どちらも、歩くたびに足裏をやさしく包む感覚が気持ちよく、長時間歩いても足の裏が痛くならない。価格は2万5300円(税込)で、楽歩堂ネットショップおよび各地の楽歩堂14店舗でも購入できる。初年度販売目標は、1200万円(500足)を見込んでいる。


楽歩堂は、2020年9月からICEBUGの輸入販売を開始し、これまでに約1億円(4400足)の国内販売実績がある。サステナブルシューズを自社開発することは、今はまだ難しいが、同社で取り扱い開発する靴は、耐久性が高く修理ができる素材などを最大限に採用するようにしている。そして2022年9月、同社は国連が提唱するSDGsに賛同し、足利銀行のサポートにより「株式会社楽歩堂SDGs宣言」を発表した。製品づくりにおいて、サステナブル素材を導入することは、非常にコストが高くハードルが高いが、こうした取り組みが日本でも評価され、購入の大きな要因となるように情報提供し、その社会的責任を果たしていく。


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