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2024年05月06日

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山陽、LWG(レザーワーキンググループ)の環境認証を取得――国内タンナーで2社目



110年以上の歴史をもつタンナーである山陽(兵庫県姫路市、戸田健一代表)は、今年3月に日本で2社目となるLWG(Leather Working Group=レザーワーキンググループ)環境認証を取得した。


LWGは、イギリス・ノーザンプトンに本部があり、レザーに対する品質や安全性、環境問題などの啓蒙活動を行っている非営利国際団体で、490を超える世界的な有名ブランド・団体がLWGメンバーシップとして協賛している。


LWGでは、レザー生産における環境への配慮、制限物質の使用禁止、安全性、設備レベル、原材料のトレーサビリティなどを、17分野300項目からなる厳格な国際基準で審査し、LWG環境認証として認定している。全世界で1100社以上のタンナーがLWG環境認定を受けているが、日本で認証されているのは兵庫・たつの市の繫栄皮革工業所と、今回取得した山陽の2社のみ。


山陽レザーは、すべてLWG環境認証を取得した国内工場で作られている。10月10~12日に開催された「第3回サステナブルファッションEXPO秋」では、革(レザー)のもつ持続可能性(Sustainable)、環境配慮性(Ecological)、ファッション性(Fashionable)の3つの視点から製品を提案した。


同社の「PitNume」は、天然の植物タンニンのみで鞣されたフル植物タンニン革。山陽では、“ピット槽”と呼ばれる植物タンニンを含んだ水溶液が入った槽に原皮を約1カ月間漬け込み鞣す、という伝統的な製法で作っている。手間ひまがかかるピット槽での革づくりは、今では日本で数社、世界でも希少なものとなっている。ここから生み出されるPitNumeは、繊維が密で堅牢、長く使えるという特徴を有している。


「ガイア〈コレクトタイプ〉」「マッシュ〈スムースタイプ〉」は、山陽が提案するサステナブルレザー。本来、市場に出回りにくい生体時の傷や痛みが多いものを独自の技術でよみがえらせた“アップサイクルレザー”。傷や傷みを顔料などの装飾で覆うのではなく、あえて表面を隠すことなく“個性”として仕上げている。革に含まれるワックスが生み出すプルアップ感と生体時の傷が、ナチュラルなアート作品のような雰囲気を醸し出す。


植物性ウレタンコーティングレザーの「シェブラン」は、生産および廃棄時などの環境への負荷軽減を考えた新しいレザー。これまで環境への影響が課題とされてきた石油系塗装のウレタンコーティングに代わるもの。


低VOC レザーの「エアリアル」は、ラッカー塗料を使用せず、水性トップコーティングで仕上げたガラスレザー(コードバン調レザー)。VOC(揮発性有機化合物)の使用を削減した次世代に向けた環境配慮革。


アンティーク調レザーの「ガーベラ」は、レザーへのプリンティング技術により、アンティーク調の装飾を施した革。現代絵画を思わせるようなアーティスティックなパターンも新たに導入した。色・パターンの組み合わせにより、デザインの幅が広がる。


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