
足袋スニーカーやバッグなどを展開するTabeez(タビーズ)
福助(東京都江東区、坂本友哉代表)は、11月1日~7日の期間限定でJR新橋駅近くにあるアンテナショップ、香川・愛媛せとうち旬彩館に出店する。
販売商品は同社の「福助足袋」と足袋の製造技術から生まれた雑貨ブランド「Tabeez(タビーズ)」。ともに香川県で製造されたもの。また、福助足袋からは、江戸時代から伝わる香川県の伝統工芸品「保多織(ぼたおり)」の生地を甲表地に使用した新作足袋が登場する。
同社は1882(明治15)年に大阪堺区(現・堺市)に足袋装束店として創業以来、「より良い足袋を、より多くのお客様に」をモットーに、足に美しくフィットし、履き心地の良い、そして丈夫で長持ちする足袋づくりを追求してきた。
1941(昭和16)年には、香川県観音寺市にも足袋専用の四国工場を開設し、この工場はその後、国内唯一の福助足袋専用工場「四国フクスケ」として稼働しているが、2021年にはタビーズの製造も開始した。
新型コロナウイルス感染症拡大によって足袋着用の機会が激減したことにより、当時、足袋事業は非常に厳しい状況を迎えたが、祖業である足袋の製造を継続すること、四国フクスケで働く従業員の雇用安定、技術の継承をはかるために足袋の製造技術を活かした新たな提案として足袋シューズ、ルームシューズ、トートバッグといった生活雑貨の製造を始めた。
四国フクスケは、生地の管理や検査、裁断、縫製、検査・出荷までを一貫で実施。福助足袋において特に重要となるのは、丈夫さや履き心地の良さ、着用時の美しさを決定づける縫製工程。複雑な足の形にぴったりと沿うよう立体的につくるため、パーツ毎に異なる専用ミシンを使って縫製するが、ギャザーを寄せたり、曲線を縫ったり、コハゼをつけたりといった細やかな作業は熟練の職人による技術にほかならない。
また、この技術を活かしたタビーズも同様にオートメーションではなく、すべてこれら職人の手によって1点1点丁寧につくられたもの。大量生産が難しく、限定的なポップアップショップなどでの販売が中心となっている。
タビーズのブランドコンセプトは「日本の足袋技術×現代生活」。高いデザイン性と機能性により、日常生活を豊かにする生活雑貨ブランドを目指す。
ラインアップは、足袋と靴の職人技を融合した足袋スニーカーやルーム用足袋、足袋生地を用いたバッグやエプロンなど。価格は3300円(税込)~1万4300円(税込)。高い技術力と機能性により長く使えるだけでなく、時代を超えて愛される恒久的なデザインを心掛け、“良いものを大切に使ってほしい”という思いが込められている。