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2024年06月28日

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ゴールドウイン、中期ビジョンを発表――10年後に売上高500億円目指し中国を皮切りに「ゴールドウイン」ブランドの海外展開進める

中期ビジョンについて発表するゴールドウイン渡辺貴生社長

ゴールドウインは4月30日、中期ビジョン説明会を開き、渡辺貴生代表取締役社長が、中期ビジョンの方針である「PLAY EARTH 2030」の全体像、とくに中国大陸でのジョイントベンチャーの詳細と「ゴールドウイン」ブランドによる海外展開、PLAY EARTH PARKの進捗状況について説明した。


渡辺社長は、「本社の移転を含め、ゴールドウインの在り方を見直していることを伝えたい」と語り、「コーポレートアイデンティティとブランドアイデンティティを統合することで国内外でのゴールドウインブランドの認知度拡大をはかり、海外展開を進める」と述べた。


また、「ゴールドウイン」ブランドの競争優位性について「コミュニケーション、デザインそしてイノベーションであるという結論に至った」と語り、ゴールドウインとザ・ノース・フェイスは、どちらもパフォーマンス性を追求しているが、ゴールドウインは同時にファッション性を意識したブランド展開を行っている。ザ・ノース・フェイスとは異なる新たなファッションでの方向性をもつブランドに位置づける、とした。


同社は、今年4月10日付で中国に蘇州愿景零售有限公司(SGAR社=美妙商貿(蘇州)有限公司(Splendid Business)90.0%、乐福仕商务咨询(上海)有限公司(raf.si works)10.0%出資)と合弁で「ゴールドウイン」ブランド商品の製造・販売を行う高得運(蘇州)商貿有限公司を、同社出資比率65%で設立した。今後、中国大陸での展開を促進し、10年後(2033年3月期)のグローバルでの「GOLDWIN」ブランドの売上高500億円達成を目指す。


渡辺社長は、「ゴールドウインブランドを、海外市場でも自分たちの思いをもって展開するために、今回のジョイントベンチャー設立で最優先したのは、マジョリティとブランドを保持すること」と述べた。また、ゴールドウインブランドのグローバル展開を進めるうえで重要なのは、優先順位を設けることであるとして、まずファッション感度の高い地域に位置付ける日本、中国、韓国での展開を進めていく。


中国事業で提携したSplendid Business社は、ザ・ノース・フェイスのリテールビジネスを展開するほか、アウトドアプロダクツやティンバーランド、コロンビアなど、アウトドアブランドを数多く手掛けており、出店候補地の選定と交渉、物流などプラットフォームの提供等を担い、またraf.si works社は、実店舗やEC運営などを担う方針。


同社の中国事業は、2021年12月に中国大陸で初となる旗艦店、ゴールドウイン北京をオープンし、プレミアムスポーツ市場のトレンド研究を行ってきた。一方、国内でも原宿や丸の内の直営店で、インバウンド需要の動向から海外展開を進めるうえでのマーケット分析を実施してきた。


その結果、中国市場におけるゴールドウインブランドによる出店ポテンシャルは大いにあると判断した。実際、北京店は世界で一番、ゴールドウインブランドの商品を販売している店になっている。また昨年、上海で行ったスパイバーとの共同イベントでは、「中国大陸におけるサステナビリティとファッションへの関心が、一層強まっていることを実感している」(渡辺社長)という。


同社創業の地である富山県での開業を目指しているプロジェクト「GOLDWIN PLAY EARTH PARK事業構想」の進捗状況については、令和6年能登半島地震の影響でオープンを当初予定の2026年から2027年夏頃に延期することを決めた。同社は2023年に会社組織のPLAY EARTH PARKを、富山県小矢部市に設立し、富山県庁および富山県南砺市役所のPLAY EARTH PARK推進室との連携を深めながら、開発推進に取り組んでいる。


そしてこのほど、新たにプロジェクトに参画するガーデンデザイナーに、世界各地でガーデンデザインを手がけ、六本木ヒルズのガーデン設計や十勝千年の森などを手掛けたDan Pearson(ダン・ピアソン)氏、さらに建築家に新素材研究所の榊田倫之氏を起用することを決めた。


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