日本皮革産業連合会の島岡紀江さん㊧とのロビンソン裕美さん㊨
日本皮革産業連合会(JLIA)が認定業務を運営している「日本エコレザー」が、今年4月申請分から改訂版の「日本エコレザー認定事業(JEL=Japan Eco Leather)」となり、ロゴマークも新しくなった(Shoes Post Onlineでの既報記事はこちら)。
日本エコレザーとは、“人と環境に優しい革”であり、「天然皮革である」「排水処理・廃棄物処理が適正」「適切に入手された原料皮から製造」「臭気・化学物質・摩擦に対する染色堅ろう度の基準を満たしている」「発がん性染料・指定する化学物質を使用していない」ことが主な認定条件となる。JLIA業務第一部事業振興課課長の島岡紀江さんと業務第一部事業振興課業務第二部CITES推進課のロビンソン裕美さんに、今回の改定の経緯と目的について聞いた。
■改訂の目的は。
世界的に環境に対して注目が集まるなか、日本皮革産業連合会では2006年に制定された「日本エコレザー基準(JES)」に基づいた日本エコレザー基準認定事業を2009年から担ってきました。運営から15年が経過し、より消費者の目も厳しくなってきていることから、海外の基準を調査し、今、求められている検査項目なども増やし、「日本エコレザー認定事業(Japan Eco Leather=JEL)に改訂しました。
コロナ禍が収束し、インバウンド需要の回復に伴って、環境への意識の高い訪日外国人客が増加しています。日本のメーカーの革製品の購入に際して求められるのは、デザインや品質に加えて環境問題への対応も左右するようになってきました。今回の日本エコレザー認定事業の改訂は、製品の支給に際して環境問題が障壁にならないようにするためでもあり、また革や革製品を海外の展示会に出品するときにも、英語版の日本エコレザー認定書を表示することで、これまでよりもアピールしやすくなると思っています。
■これまでの日本エコレザーとの違いは。
これまでとほぼ同等のレベルの認定を「Japan Eco Leather BRONZE(ブロンズ)」とし、検査項目を増やし数値を上げて世界基準に合わせたレベルの認定を「Japan Eco Leather SILVER(シルバー)」と、レベルに合わせ認定ラベルを2つにしたことが、今回の改訂の大きな特徴です。将来的には、もっと厳しい基準が必要になってくるかもしれませんので、「ゴールド」のラベルは残しています。認定期間は、検査対象の薬品のサイクルが短くなっていることを踏まえ、これまでの5年から3年に短縮しました。
■詳細が知りたい場合は。
日本エコレザーの申請の仕方や申請などに必要な料金などの詳細は、日本エコレザー認定事業のホームページ(https://ecoleather.jlia.or.jp/)をご覧ください。また、5月24日(金)11時から、東京・浅草の都立産業貿易センター台東館で開催される「第107回東京レザーフェア」会場(8階)で、「日本エコレザーの改訂」並びに今年3月21日に制定された「JIS K6541:2024 革(レザー)-用語」の説明会を開催しますので、是非ご参加ください。
※「第107回東京レザーフェア」はビジネストレードショーであり、「第107回東京レザーフェア」の入場は、事前登録(https://tlf.jp/registration)が必要です。