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2022年07月01日

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開設9年目を迎えたアキレスの足育(そくいく)相談室の活動をレポート――本社内に「足型計測&カウンセリング」サービスコーナーを常設



2013年の“アキレス足育(そくいく)宣言”を機にお客様相談室内に「足育(そくいく)相談室」を開設


アキレスは、一般ユーザーの足の計測や足と靴に関するさまざまなアドバイスを行う施設を社内に常設している。同社は、代表ブランドのひとつであるジュニアスポーツシューズブランド「瞬足」が発売10周年を迎えたことを機に2013年5月、「アキレス足育(そくいく)宣言」を行い、“子どもたちの足の健康と成長を促すこと”を目的に積極的に活動していくことを表明した。


同時に、「消費者に役に立つ情報を提供したい」という思いで同年8月、お客様相談室内に足育(そくいく)相談室を開設し、以来約9年間にわたり、とくに発育過程にある子どもたちの“足を守る”ための、さまざまな「足育」のための普及・啓蒙活動を行ってきた。今回は、足育(そくいく)相談室を運営するアキレスのお客様相談室長の堀渕茂さんと林達夫さんに話を伺った。

アキレスお客様相談室長の堀渕茂さん㊧と林達夫さん㊨

一般ユーザーの来社人数は約9年間で570人を超える――メンバーはすべてシューフィッターの資格を取得、予約制で週4日実施


現在の足育相談室の主な活動には、本社(東京都新宿区)内で行う「足型計測&カウンセリング」サービスと、学校等に出向いて行う「出前講座」がある。当初、フリーコール(0120-89-4192=ハク・ヨイクツ)での“足と靴のお悩み相談”からスタートした足育相談室の活動は、同社ショールーム内に足型測定器を設置して行う「足型計測&カウンセリング」サービスに発展し、「これまでの累計来客数は570人を超えている」と堀渕さんは話す。


1人(1組)の対応に1時間はかかるため、「足型計測&カウンセリング」サービスは予約制とし、毎週火・水・木・金曜日の午後に行っている。子ども(幼稚園児・小学生)だけでなく、保護者の計測も行っており、口コミ等により大人単独での申し込みも増えているという。


消費者と直接、話をする中で必要となったのが、やはり足や靴に関する深い知識。そこで、より深掘りした情報を提供することを目的に、シューフィッターの資格を取得することを決めた。設立時は1人だったシューフィッターは現在、お客様相談室のメンバー4人全員が有資格者となっている。室長の堀渕さんはシニア専門シューフィッターも取得、林さんは全国に400人程度しか取得していないバチェラー(上級)シューフィッターの資格を持っている。堀渕さんは「相談室のメンバーは、必ずシューフィッターの資格を取得することを9年間、継続して行っている」と話す。


2014年からは学校や自治体からの要請で「出前講座」をスタート――累計で1万3000人の前で靴の選び方・履き方などを話す


アキレスが「足型計測&カウンセリング」サービスを実施しているという話を聞きつけて、小・中学校から「出前講座」をリクエストされるようになった。このため、2014年から学校保健委員会の主催で学校などで行われる「出前講座」に、お客様相談室のメンバーが出向き、児童や生徒、あるいはその保護者や教職員の前で話をするようになった。

出前講座の1シーン

最近では、自治体からも声がかかるようになり、健康イベントの一環として行われるシニア世代を対象とした講座も人気となっており、「トータルで、これまでに約250件、1万3000人を超える方に聴講していただいている」と堀渕さん。


2019年には年間63件(聴講者数3600人超)実施した出前講座は、コロナ禍で2020年には5件、2021年は13件に減ったが、2022年は6月以降に12件(仮予約込み)が予定されており、今後も増える見通しである。


「出前講座」は基本、座学で行われ、「40~50分程度、靴の選び方や履き方などを中心に話をさせていただく」と堀渕さん。とくに、足を始めとした子どもの健康のことを熱心に考えている養護教諭がいる学校は、アキレスが行っているようなイベントにもアンテナを張っていて、出前講座要請の連絡が来るのだという。


実際に足を計測して分かるのは「靴のサイズが足に合っていないこと」「正しい靴の履き方をしていないこと」


それでは、アキレスの本社内ショールームでの「足型計測&カウンセリング」サービスでは、どのようなタイムスケジュールで行われているのだろうか。


まず、約20分かけて足や靴についての話をして知識を高めてもらったあと、足型測定器および手計測で来客者の足を約20分かけて測る。そして、残りの20分で計測した足長や足囲の数値を基に、理想的なシューズのサイズを導き出し、さまざまなアドバイスを行う。

足育相談室で子どもの足を計測する様子

林さんが、たくさんの来客者の足を計測して気づいたのが2つのポイント。まず、ひとつ目のポイントは、計測値と子どもが履いている靴のサイズの差が大きいこと。「計測した約7割の子どもが、足より大きいサイズのシューズを履いている」(林さん)という。


そして2つ目のポイントは、靴を正しく履いていないこと。林さんは「例えば、子どもが『きつい』といった場合でも、実際は靴が小さくてきついのではなく、大きすぎる“ぶかぶか”の状態で履いているため、足が靴内で動いて足指の先が靴に当たることで『きつい』と言っていることもある」と話す。アキレスでは、子どもを対象に行っている「瞬足」陸上教室等では必ず、“踵に合わせて(踵トントンで)から紐を結ぶ”という靴の履き方のポイントを教えている。


子どもの足を心配する親の熱意があふれる――計測後のアンケートには感謝の気持ちが“びっしり”と書かれている


また、足を計測して分かるのは「足が細く、甲が低い、そして浮指傾向の子どもが多い」ことだという。浮指は計測時に後傾姿勢になっていることも考えられるが、足底筋が発達していないことも要因と考えられる。そのような場合、林さんは足指のストレッチを勧めている。例えば、お風呂に入った際に足指の間に指を入れてマッサージすると、縮こまった指が伸びてくる。筋肉がついてアーチ形成にも役立つのだそう。また、足指を使う縄跳びも効果的。「若い時は足指をきちんと使わなくてもさまざまな動作を筋肉でカバーできるが、年齢を重ねると弊害が出てくるので、若い時から足の健康に気を使ってほしい」と語る。


林さんに、子どもの靴のサイズの合わせ方で便利方法を教えていただいた。まず、靴の中敷を外して、その上に子ども足を置いて見ること。指先に10㎜(捨て寸)の余裕があればちょうど良い状態。5㎜以下は危険、15㎜は取りすぎ。「インソールについた指の跡をみると、サイズの状態が分かるように、中敷には情報が詰まっている」と林さんは話す。


「足型計測&カウンセリング」サービスの後のアンケートの熱心さには、目を見張るものがある。少し見せていただいたが、空きスペースがないほど“びっしり”と感謝の気持ちが書かれている。

出前講座後に届いた小学生からのお礼の手紙

堀渕さんは「足育相談室を訪れる親御さんの子どもの足を心配する熱意は相当なもので、意識も高い。学校で行っている出前講座のお礼の手紙も多く届いている。ただ、まだまだ足に対する意識が低い方も多くいらっしゃると思う。こうした嬉しい言葉をいただくと、もっと“足育”の認知度を高め、足に合った靴を履いてもらいたい、という意欲がわいてくる」と語る。



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