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2022年11月27日

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生活工房ギャラリー(東京・三軒茶屋)で靴郎堂本店による「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」開催中(10月16日まで)

「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」来場者が制作したガムテープのズック。段ボール製のミッドソールが入ったクツ型(ベース、写真左前)にベロを取り付け、さまざまな色のテープでデザイン。穴を開けてハトメをつけ、紐を通して完成させる。佐藤さんは「クツ型のあらかじめの用意など、活動はチームで行っているため、作家名・靴郎堂本店を名乗っている」と語る

東京・三軒茶屋の生活工房ギャラリーで、ガムテープと新聞紙等を使ってズックをつくる靴郎堂本店による「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」が10月16日(日)まで開催されている。主催は、公益財団法人せたがや文化財団 生活工房。


生活工房ギャラリーは、“暮らしのデザインミュージアム”をテーマに、“暮らし”に関わる展示を行っており、今回は“暮らし”に欠かせない「靴」を取り上げた。多くのテナントが入居する三軒茶屋のランドマークであるキャロットタワーにクツ屋さんが1軒もないことから、ガムテープで制作されたズックをクツ屋さんのようにディスプレイ。展示テーマをショー・ウィンドウならぬ「シュー・ウィンドウ」として開催している。



靴郎堂本店・佐藤いちろうさん――「ガムテープのズック」のワークショップに靴文化定着への仕掛け

作家名「靴郎堂本店」として活動する佐藤いちろうさんは、東京・浅草の靴メーカーに勤めながら“ガムテープでつくるズック”の制作やワークショップ、さらには靴の形を表現したオブジェやテントといった作品も手掛けている。佐藤さんに開催中の「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」会場で聞いた。

靴郎堂本店の佐藤いちろうさんは、1979年大分県生まれ。2003年から「履物」をテーマにした作家活動を開始している

佐藤さんは、文化服装学院を卒業後、靴メーカーに勤めた。アートとの出会いがあり、一旦、靴業界から離れた。その後、文化服装学院勤務を経て、現在は靴メーカーで働いている。元々、「紙で何かをつくりたいと思っていた」という佐藤さんは、靴をつくろうと思ったきっかけについて次のように語る。


「靴は立体的で、さまざまなパーツでできているので、紙でつくるのは難しい。でも、その不可能なことを可能にして、最終的には誰でもつくれるようにしたかった。行きついたのがガムテープでした。そして身近な素材であり、基本的にただ(無料)で手に入る古新聞や段ボールを使うことにしました」


「ガムテープのズック」の制作活動を本格始動したのは、“革とモノづくりの祭典”として行われている浅草エーラウンドの第1回開催があった2013年から。日本には、布製のスニーカーを“ズック”と呼んでいた歴史があることから、紐靴のハイカットシューズをモチーフにした。布製のガムテープを使うので、「ガムテープのズックと呼んでいる」(佐藤さん)。ガムテープは、補強するための強度に優れ、重ねやすいというメリットも備えている。


「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」で、夏休みに開催したワークショップには多くの親子が参加した。佐藤さんは「子どももつくれる、というのは誰でもできることの証。そして、これには“仕掛け”があると話す。


「日本の靴産業は、軍需から戦後、急激に発展したので、靴文化として定着していないと思うんです。靴の履き方ひとつとっても問題がある。紐をハトメに通すこと、靴紐を結ぶことも体験してきていない場合が多い。そこで、ガムテープのズックは、金属のハトメをつけ、紐を通して紐を結ぶことで完成するようにしました。子ども対象のワークショップを行うことで、親と子の最低でも2人にこうした靴の基礎を伝えられる。こうした体験をしてもらうことが、ワークショップの狙いでもあるわけです」


将来的な活動について、佐藤さんは「継続していきたい」と話す。「例えば、学校の図画工作の授業に組み込まれるといった仕組みができてほしい。ほかにやる人が出てくることも歓迎です」。


靴郎堂本店の次回ワークショップは、横浜市鶴見区を舞台にしたアートプロジェクトであるweTREES TSURUMIによるハロウィン フェスティバル(10月23日(日)=準備、10月29日(土)=制作)で開催予定。


■「シュー・ウィンドウ――靴を紐とく展覧会」 ▽会場=生活工房ギャラリー:世田谷区太子堂4-1-1 三軒茶屋・キャロットタワー3階▽アクセス=東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅直結▽会期=7月19日~10月16日(祝日を除く月曜休み)▽入場=無料▽主催=公益財団法人せたがや文化財団 生活工房▽協力=稲川實、皮革産業資料館、北條工務店▽後援=世田谷区、世田谷区教育委員会


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