「TUNEGRID-Cube」が取り付けられたシューズ
アシックスは、昨今社会問題となっている送迎バス車内での園児置き去り防止に向け、近畿タクシー(神戸市)、神戸常盤大学附属ときわ幼稚園(神戸市)と連携し、送迎バスの見守り実証実験を開始した。
今回の実証実験は、同社が有するLITE DXソリューション「TUNEGRID(チューングリッド)」のコア技術のひとつで、時間に応じた歩数を記録できるほか、受信機と連動することで着用者の位置情報を取得できる重さ約7gの小型BLEセンサ「TUNEGRID-Cube(チューングリッド・キューブ)を使い、新たに開発した位置情報を管理するアプリで検証する。
近畿タクシーが運行管理する送迎バス内に設置した受信機が、「TUNEGRID-Cube」を取り付けたシューズを着用したときわ幼稚園園児の乗降を検知する仕組みで、施設管理者は園児が送迎バスに取り残されていないかを遠隔からでも確認できる。さらに幼稚園の正門にも受信機を設置することで、送迎バスから降りて登園したことが分かるようにするなど、見守りの精度向上にも取り組む。
受信機にはGPSを搭載しており、送迎バスがどこを走っているかを確認でき、おおよその到着時間を把握することもできる。今後は、施設管理者のほか、保護者なども確認できるシステムを構築するとともに、ほかの幼稚園や保育園への導入拡大を目指す。
この検証実験は、「TUNEGRID」の4つのシーンのひとつである「TUNEGRID For School」の取り組みの一環。また、子どもの運動量低下へアプローチすべく、受信機で検知した歩数を確認することで、園児が1日にどれくらい運動しているかを可視化するなど、子どもの体力向上にも活用していく。また、健康管理の施策として、園庭に受信機と温湿度計を設置することで、暑熱対策を踏まえた運動環境をつくるなど、さまざまな課題解決に取り組んでいく。