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2024年03月19日

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【ランニングシューズ特集 ミズノ】 短距離陸上スパイクをインスピレーションにミズノエナジー、ミズノウエーブのテクノロジーを詰め込んだ長距離スピードランナー向けシューズ「ウエーブリベリオン」シリーズが順調なスタート切る



トップアスリート向けの「ウエーブリベリオンプロ」、サブ3を目指すランナー向けの「ウエーブリベリオンフラッシュ」、サブ3.5がターゲットの「ウエーブリベリオンソニック」のレベルに応じた3機種を同時発売


ミズノが1月20日から発売した長距離スピードランナー向けランニングシューズ「WAVE REBELLION(ウエーブリベリオン)」シリーズの動き出しが好調だ。この新しいレーシングシューズは、陸上短距離スパイクにインスピレーションを得て、高反発ミッドソール素材のMIZUNO ENERZY(ミズノエナジー)で距離を延ばし、さらにウエーブライダーで熟成させたMIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)のテクノロジーを詰め込んだ、まさにミズノが今まで積み重ねてきた技術の集大成と言える。


「ウエーブリベリオン」シリーズの発売を機に各地で実施している試履き会では、トップアスリート向けの「WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオンプロ)」だけでなく、同時発売したサブ3(フルマラソンを3時間以内で完走)を目指すランナーを対象とした「WAVE REBELLION FLASH(ウエーブリベリオンフラッシュ)」、さらにサブ3.5をターゲットにした「WAVE REBELLION SONIC(ウエーブリベリオンソニック)」が、それぞれのレベルのランナーから評価されている。同社では、「ウエーブリベリオン」シリーズの投入を機に、スピードランニングシューズ市場の復活を目指す。


ミズノでは、フルマラソンにおけるハーフから30㎞以降の走りを考えたときに、「それぞれのランナーのレベルに必要な厚みや素材のスペックを備えている3モデルをしっかり伝えていく」としており、オフィシャルスポンサーを務める2月26日(日)開催の「大阪マラソン2023(第11回大阪マラソン)」でも、スピードを求めるすべてのランナーに「ウエーブリベリオン」シリーズを大々的にアピールしていく

「既存の構造に捉われない」「常識を疑ってかかる」プロジェクトから新機能「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズスピードアシスト)」が生まれる


ここ数年、スピードランニングシューズの領域が大きく変化した。そこでミズノとしても独自のアプローチでパフォーマンスを支える商品の開発に取り組むことになった。同社のものづくりからプロモーションに至るまでのさまざまな部署のエキスパートが集結し、1つの目標に向かって突き進む。それが社内で「スムーズスピードプロジェクト」と呼んでいる計画だった。2021年からスタートしたプロジェクトの目標は、“いかにスムーズにスピードランニングの世界を変えていけるか”の1点に集中した。


スムーズスピードプロジェクトでは、「既存の構造に捉われない」「今までつくったものをアップデートするという考えは捨てて、レーシングシューズをつくるうえで常識と思っていたものを疑う」ことを心掛けた。


その第1弾商品として2022年9月、「WAVE DUEL PRO(ウエーブデュエルプロ)」シリーズ2機種を発売した。このシリーズには、このプロジェクトから生み出された新形状のソール設計「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズスピードアシスト)」を一番強く反映させている。


そして2023年1月に、このプロジェクトの第2弾として登場したのが、「スムーズスピードアシスト」をフルマラソンの距離まで対応することに成功した「ウエーブリベリオンプロ」になる。

「ウエーブリベリオンプロ」の搭載テクノロジー

WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオンプロ) 2万4200円(税込)/エリートランナー向けの長距離スピードランニングモデル

同社では、機能性についてゼロベースで見つめ直し、ランナーを前に進めさせるために何が必要なのか考え抜いた。その結果、軽量でフィット性が高く、推進力をサポートすること、この3つの要素が必ず必要だということにたどりついた。さらに独自の第4の機能を見つけ出した。それが、つま先から踵への独自のソール形状により、スムーズなフォアフット走法をアシストする「*スムーズスピードアシスト」という機能だった。


予めフォアフットの蹴り出し角度に合わせて設定された前足部、過度の落ち込みを抑える通常の商品より大きく拡張された中足部、そしてフォアフットで走り続けるための自然な接地を促す、切り落とされたような特徴的なヒール部。これらの底面の形状が、スムーズスピードアシストの機能を構成する要素になる。そして足の接地点(作用点)と足首の関節の位置(支点)の距離を、従来のシューズよりも短くすることで筋肉などへの負荷を抑える。


これによりフォアフット着地での走行時に、ふくらはぎの筋肉の負荷を低減することができ、すべてのスピードランナーの戦略をサポートすることができる。例えば、レースの最終盤まではなるべくエネルギーを制御して足をため、最後の瞬間にファイナルスプリントを生かす。あるいは、中盤で飛び出してパワーダウンせずにゴールに飛び込む、といったいろいろなレース戦略をサポートすることができる。


*スムーズスピードアシスト:下腿三頭筋の伸張性収縮の一般的な指標とされる「足関節底屈トルクの負の仕事」を、社外被験者を用いた実験により測定。レースペース走行時(時速16~20㎞)にスムーズスピードアシスト機能搭載商品と非搭載商品(自社)間での「足関節底屈トルクの負の仕事」の値を比較し、搭載品において値が低減されることを確認。なお、効果や感じ方には個人差があります。


「陸上100m走の走り方でそのままマラソンのゴールまで走れれば最速になる」という奇抜な発想をこれまで培ってきた技術で実現


このシューズのインスピレーションとなったのは、陸上短距離のスパイクテクノロジー。陸上短距離スパイクは、ごく限られた短い距離を、人類が世界で一番速く走るためだけにつくられた純粋な道具(ギア)だ。100mとフルマラソンとでは距離はまったく異なるが、“人を速く走らせる”という原点は同じ。


同社では、「長く走ることを想定したシューズをベースに、それをいかに速く走れるようにカスタマイズしていくか」というこれまでのシューズづくりの常識を覆し、「この短距離スパイクで100mを走って、そのままマラソンの距離までゴールを延ばせば、それが世界最速ではないか」と考えた。


当然、スプリント用のスパイクではフルマラソンはおろか、5㎞さえ走ることはできない。それをブレークスルーしたのが、「*MIZUNO ENERZY(ミズノエナジー)」というフォーム材だ。これを陸上スパイクの底に搭載すれば、世界一速く走れるギアの継続走行距離を延ばせるのではないかという仮説を立て、ファーストサンプルは、まさに開発スタッフが陸上スパイクの底面にフォーム材を付けたものだったという。


*ミズノエナジー:設計などにより、効果や感じ方が異なります。反発性は垂直方向に圧縮した時の比較になります。

「ウエーブリベリオンプロ」のトップミッドソールには高いクッション性と反発性に柔らかさを兼ね備える「ミズノエナジーライトプラス」を、ボトムミッドソールには反発性の高い「ミズノエナジーライト」を搭載している

そして、もうひとつの機能ベースになったのが、1997年に発売されたランニングシューズ「ウエーブライダー」に初めて搭載された「MIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)」だ。今では、レーシングシューズにプレートを搭載するのは標準的なことだが、同社は2022年までに26代のミズノライダーを発売し、いかにプレートをスムーズなランニングに適応させるかを26年間にわたり研究し尽くしてきた。プレートの波の形や高さ、波の数、内外での形状の違いなど、さまざまなトライアルを重ねた結果が、最新の「ウエーブライダー26」であり、ここに詰め込まれたノウハウが、「ウエーブリベリオン」シリーズにも生かされている。


すでに昨年10月、アムステルダムマラソン(ハーフ)で、「ウエーブリベリオンプロ」のカムフラージュバージョン(プロトタイプ)を履いたランナーが、上位12人のうち6人を占めるという成果も出てきている。


ターゲットタイム別にミッドソールやプレートの素材選定、ソールの厚みなどを設定し高反発ソールランニングシューズの主力シリーズとして展開


新機能のスムーズスピードアシストは、トップエリートランナー向けの「ウエーブリベリオンプロ」と、先に発売した「ウエーブデュエルプロ」「ウエーブデュエルプロQTR」の3機種に搭載されている。なお、「ウエーブデュエルプロ」は40㎜以下という世界陸連(WA=ワールドアスレティックス)が定めるロード種目で使えるシューズの底の厚さの基準をクリアし、「ウエーブデュエルプロQTR」は、同様に25㎜以内という800m以上のトラック種目で使用できるシューズの厚さの基準をクリアしている。


「ウエーブリベリオンプロ」(税込2万4200円)には、カーボン繊維で強化されたナイロンプレートを全面に搭載してクッション性と安定性を両立。プレートは前足部の中央に穴を設け、踏付け時にミッドソールの柔らかさを感じられる。中足部は3D形状のハニカム構造で剛性を高め、フォアフットの姿勢をサポート、ネジレにも強い。


ミッドソールは、上層部に高反発ミッドソール素材で、高いクッション性と反発性、さらに柔らかさを発揮する「MIZUNO ENERZY LITE+(ミズノエナジーライトプラス)」を配置することで、柔らかさを感じて長い距離にも対応。下層部は反発性が高い「MIZUNO ENERZY LITE(ミズノエナジーライト)」を搭載することで、地面からのエナジーリターンを効率よく伝える。


「WAVE REBELLION FLASH(ウエーブリベリオンフラッシュ)」(税込1万7600円)は、2層構造のミッドソールのトップに、クッション性と反発性、軽量性が特徴のミズノエナジーライトを、ボトムにミズノエナジーを搭載。プレートは、程よい硬さのグラスファイバー強化ナイロンプレートを採用し、スピード走行に必要なクッション性と安定性、反発性を高めている。アウトソールは、軽量でグリップ性が高いG3ソールを全面に搭載し、パワーロスを抑える。

「ウエーブリベリオンフラッシュ」の搭載テクノロジー

WAVE REBELLION FLASH(ウエーブリベリオンフラッシュ) 1万7600円(税込)/サブ3を目指すランナーのための長距離スピードランニングモデル

「WAVE REBELLION SONIC(ウエーブリベリオンソニック)」(税込1万3750円)は、ミズノエナジーをミッドソールに、安定性とクッション性を高めるTPUプレートを搭載。前足部と踵部のアウトソールには、耐摩耗性の高いX10ラバーを使用し、耐久性を高めている。

「ウエーブリベリオンソニック」の搭載テクノロジー

WAVE REBELLION SONIC(ウエーブリベリオンソニック) 1万3750円(税込)/サブ3.5を目指すランナーのための長距離スピードランニングモデル

また、2月15日(水)からは、「KAKIZOME PB」カラーが登場している。シューズ全体に日本の書初め文化からインスパイアされたオリジナルのカモフラージュ柄を配しており、そのなかに「自己ベスト」の文字が隠れているという特別な1足になっている。

KAKIZOME PBカラー




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