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2021年03月05日

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連載【トレンドを俯瞰する④-私たちは今、どこに立っているか-】ライフスタイルのカジュアル化で女性が圧勝

■長い歳月で変化を見る

個人の優位、個人の生活の解放=ライフスタイルのカジュアル化がトレンドであることは繰り返し述べてきました。人権も女性の進出もコンビニやドラッグストアの台頭も。そしてクツが革靴を意味しなくなり、パンプスがなぜ減っているかもすべてここから始まっています。


明治100年、前の東京オリンピック後の60年代後半、日本は国が栄え企業が成長し、個人も豊かになりました。個人が社会と共にあったのです。明治150年の今日、社会性や世間体よりも個人は自由な生活、解放された日常を優先するようになりました。ライフスタイルの解放、カジュアル化です。


新しい商品が求められ、新しい市場が生まれる。業界はこれに応えなければなりません。しかし企業の現実はこの大きなまさに歴史レベルの変化を理解しているとは思えません。


■個が世界を支配する新しい歴史

65年にムーアの法則が発表されました。同じコストで1年半ごとにコンピューターの能力が2倍に進化するという説です。70年代にはパソコンが使われるようになり、90年代にはインターネットが世界に広まりました。2008年にはスマホの時代になりました。


個と世界は一体化し、世界はデジタル化したのです。AIから遺伝子編集まで人類社会の新しいステージで、履物の生活文化はそのトレンドが見えてきました。


■クツだけ見ていては見えてこない

前回、単品カジュアルについて触れました。ジーンズやTシャツやトレーナーは作業や運動のときのもので、男のものでした。しかし80年代から女性も、そして年齢や階級あるいは国境や価格も超えて誰もが着るようになりました。


世間の常識や決まりが無意味になったのです。個人の判断が優先。自主選択・自力編集が当たり前になったのです。無印良品もセレクトショップもここから生まれました。


私はパーツカジュアルという呼び方で83年にこの現象を指摘し、ファッションビジネスが転機にさしかかっていると言いました。ファッションビジネスはモノの多様化と変化で過剰な消費を創出するが、パーツカジュアルはベーシックな単品で、年齢も性差も階級も超えて市場にするからです。


この冬、60歳以上の女性の90%以上がダウン調のコートを着ていました。しかし丈の長い本格的なスポーツ仕様のものは見られない。かわいいオシャレなものが増えています。


■女性が男性市場を圧倒している

作業着のワークマンで若い女の客が増えているという。単品カジュアルは社会性や世間体よりもラクチンで快適、そして解放された自分を発見する喜び、ライフスタイルの解放、カジュアル化なのです。このトレンドで女性の圧倒的なリードが見えています。


市場経済は個人の生活への依存をさらに強めています。そして女性は生活のプロユーザーなのです。「KU:NEL」や「天然生活」のようなライフスタイル誌の読者の90%以上が女性。


「はるめく」という通販が注目されています。50歳以上のシニア女性をターゲットに、衣食住から美容健康まで全方位でラクチン・快適、そしてカンタンでベンリな生活提案をしています。改めて気づくことがあります。それは男性をターゲットにした、こうした事業はあり得ないということです。


【筒井重勝氏のプロフィール】

大学卒業後、出版社勤務を経て広告制作やマーケティングなど、クリエイティブな仕事に携わり、その後タカキューの商品本部長、丸紅・物資部で皮革に関するアドバイザーなどを歴任。この経験を活かし、1971年にジャパン・レザー・ファッション・インフォーメーション・センター、通称JALFIC(ジャルフィック)を設立。2009年からアイコニックスシステムを主宰し、社会学などを通してシューズ業界を新たな側面から見つめ直すという研究に取り組んでいる。

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