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2024年04月30日

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Ashirase、振動による視覚障がい者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」を開発――Honda発 第1号スタートアップで

足への振動でナビゲーションする



Ashirase(東京都西東京市、千野歩代表取締役)は、本田技研工業の新事業創出プログラム、IGINITION発第1号スタートアップとして設立され、Hondaおよびリアルテックファンドからシードラウンドで5000万円の資金調達を行い、靴装着型IoTデバイスおよびナビゲーションアプリを開発、2021年中に実証試験を実施する。また、そこでの結果を活用し2022年度中に製品化を目指す。


視覚障がい者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」は、ルート情報を足元から直感的に伝えることができることが特徴。これまで苦労していたルート確認の作業から解放されることで、歩行者は安全確認に集中することができる。自分自身で安全を担保しつつ余裕を持って歩けること。それが外出したいと思える気持ちや達成感を後押しでき、ひいては自立に繋がると考えた。


「あしらせ」はGNSS(衛星測位システム)による測位情報と、ユーザーの足元の動作データから、視覚障がい者向けの誘導情報を生成し、白杖を持つ手、周囲の音を聞く耳を邪魔しない、足への振動によりナビゲーションする。振動の位置と振動させるテンポの組み合わせにより、直感的に理解可能な情報通知。柔らかく、形状を保てる素材の採用により、違和感のない履き心地で多くの靴に使用でき、容易に取り換えることができるシューズアタッチメントデバイスになっている。


ロービジョン(よく見える方の眼で矯正視力が0.1~0.5未満)を含めた視覚障がい者数は、国内に164万人、アメリカや欧州を含めた先進国全体では、1200万人にのぼると推定されている。一方、盲導犬は国内1000頭程度しか存在しない。また、ガイドヘルパーは自治体ごとに利用制限が設けられているとともに、歩行支援では腕を掴むなど必ず密になることから、コロナウィルスの影響でヘルパーを辞める人が増えていると言われている。


こうした背景から、視覚障がい者は単独で歩行するケースが増えていると言われている。そこでAshiraseは、①歩行ができない、大変な思いをすることで、“外出が怖い”といった心理的課題を発生させている、②安全確認とルート確認に追われながら歩いている、③歩行時は聴覚に頼ることが多いため、音声ナビなどを使う聴覚を邪魔され、不安を感じたり危険に遭遇したりする、ことに着目した。


「あしらせ」は、視覚障がい者の生活に溶け込み、持続的に利用してもらいたいというコンセプトで開発しているため、実際の利用シーンにおける価値検証が重要になってきる。そこで、視覚障がい者に実際の生活で使ってもらうことが可能な、より最終仕様に近い試作を本年度に製作することを目的に、今回資金調達を行った。


Ashiraseでは、商品化後の展開について、視覚障がい者系の代理店数社を経由した販売(店舗、電話、メール)を行う予定としており、その後EコマースやD2Cへの展開を検討していく、としている。価格については、ハードウェアが2万5000円、アプリ利用料(基本料金)2000円を検討している。


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