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2024年04月30日

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アシックス、リサイクルできるランニングシューズ「ニンバスミライ」を発売――靴がリサイクルしにくい原因のひとつだったアッパーとソールの分離可能に

㊧記者発表会に登壇しニンバスミライについて説明したアシックス NIMBUS MIRAI 開発責任者フットウエア生産統括部マテリアル部長の上福元史隆氏、㊨ニンバスミライ

アシックスは、シューズに使われている材料を容易に分別し、リサイクルできるようにしたランニングシューズ「NIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)」を、4月12日からアシックスラン東京丸の内、アシックスフラッグシップ原宿、アシックスストア大阪、アシックスオンラインストアで発売している。価格は2万2000円(税込)。


同モデルの発売に関する記者発表会を発売前日の4月11日に開催。商品概要を始め、開発背景などについて明らかにした。


冒頭、アシックスのNIMBUS MIRAI開発責任者フットウエア生産統括部マテリアル部長の上福元史隆氏は、3年7カ月の開発期間を経て発売に至った同モデルについて「アシックスを代表するクッション性を重視した高機能ランニングシューズ『GEL-NIMBUS』シリーズで、サステナブルと高い機能性を両立させたシューズ。また、‟使用済みシューズを資源に戻す”ことを確立した革新的なシューズ」と述べた。引き続き、シューズ業界が抱える3つの課題を説明。「1つ目はアッパーとソールが分離できないこと、2つ目はシューズのアッパーは複合素材でできていること、3つ目はそもそもシューズの回収、リサイクルできる環境が整っていないこと」とし、この課題を解決するためにニンバスミライ開発のプロジェクトを進めてきたという。


ニンバスミライのアッパーは、本体を始め補強部やハトメなどもすべて単一素材でできており、そのうち75%以上が再生ポリエステル素材を使用。アッパー素材を単一にすることでパーツごとに分解するなどの作業を削減でき、高い精度で再生が可能になる。今回は試験段階においてリサイクル工程へ投入したアッパーのうち、87.3%がPET原料として再び利用できることが確認できた。


ミッドソールとアウトソールは、粉砕処理をし、マットやパネルなどの素材の一部にリサイクルされる予定。


また、アッパーとミッドソールを接合する接着剤を独自に開発し採用。従来と同等の強度がありながら、熱を加えることで簡単にはがすことができ、リサイクルしにくい原因のひとつだった材料の分別が容易になった。


使い終わった同モデルの回収方法は、シューズのタン部分とシューズボックスにプリントされたQRコードから確認することができ、国内はオンラインで受け付ける。


販売規模について上福元氏は「数十万足より少ないスモールステップスタートとし、今回はスキームをしっかり確立するのがポイント」と話し、今後の展開については「継続的に販売し、規模を拡大していくことが重要だと思っている。この商品を通じてユーザーを巻き込んだ顧客参加型サステナビリティ活動を実施していく」と力強く語った。


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