機能性の高い「履き心地が良く、歩きやすい」シューズを開発。デザインはよりスタイリッシュに
アサヒシューズは、2021年秋冬向けの新製品を発表している。昨年から続くコロナ禍により、店頭販売は厳しい局面を迎えており、商品開発についてもこれまでにない難しさはあったが、2021年秋冬に向けても履く人の「健康」と「快適」に結び付く新製品を提案している。デザインについては「今までとテイストが異なるもの」「必要とされるもの」の提案を心掛け、とくにスタイリッシュに見える商品でターゲット年齢を下げることにも取り組んでいる。
ここでは、クッション性に富んだ新しいシリーズを強化している「快歩主義」、よりフィット感を高めたメンズ商品を提案した「アサヒメディカルウォーク」、デザイン性と機能性をブラッシュアップした「トップドライ」、そして約15年ぶりとなる大型新ブランドの「アサヒフットケア」を紹介する。
【快歩主義】――「ハニカムクッション」シリーズにヒール付デザインのL164、L165、L166を加える
「快歩主義」は、主力品番であるL011に代表される、これまでのユーザーに対応する商品グループの維持をはかりながら昨秋、発売20周年と販売累計1000万足達成を機に発売した「ハニカムクッション」シリーズを強化する。これにより、60代を始めとしたこれまでの購入層より下の年代を取り込むとともに、新たな顧客層への訴求も進めていく。
「ハニカムクッション」シリーズは、ユーザーからの『もっとクッション性を高めて欲しい』という声を反映させ、アウトソールに六角形を隙間なく並べたハニカム構造を取り入れ、同社比で衝撃吸収性を15%アップさせた。さらに、本底の厚みを約2㎜アップさせて、歩行時の突き上げ感を軽減している。
また、「快歩主義」のベースとなる機能をバージョンアップしたフットオンコントローラーシステムⅡを搭載し、体重移動をコントロールしてひざの負担を軽減し、歩行時のスムーズな体重移動をサポートする。
さらに、さらっと快適・清潔な抗菌効果と最大9㎜厚のスポンジを配した足に優しい“ふんわりカップインソール”で、履いた瞬間から快適な履き心地を実感できる。
【快歩主義】㊧から2点L164(テラコッタとブラックスムース)、L165(ブルーグリーン)、L166(べージスムース) すべて7590円(税込=6900円+税)/「ハニカムクッション」シリーズの2021年秋冬新製品。9月発売予定。サイズは21.5~25.0㎝
昨秋の第1弾では、ストレッチ素材を使ったスリッポンデザインのL158とL159を提案し、すでに通販などで動きが出始めており、2021年春夏は甲部に飾りを付けたニットアッパーのL160を新製品として加えている。
2021年秋冬シーズンは外寸4.5㎝のヒールを配したL164、L165、L166の3品番で、さらにスタイリッシュなデザインの訴求をはかる。
3品番はすべて、すっきりキレイに見えるスクエア・トウを採用し、L164はパンツスタイルにもスカートにも合わせやすく、幅広いコーディネートができる万能デザインのローファータイプ。L165はコーディネートの足元に抜け感とエレガンスさをプラスするベルトタイプ、L166はきちんと見えながら、内胛スリットのゴムでスリッポンのように脱ぎ履きが簡単な外羽根レースタイプ。
「ハニカムクッション」シリーズの新製品はお出かけにも最適なヒール付デザインを加えたことが特徴
同社では、「ハニカムクッション」シリーズを、これまでの快歩主義とは別のシリーズとして新しいロゴで訴求しており、税込7590円(6900円+税)の商品群として今後、「快歩主義」の2本目の柱にするべく、商品構成を充実させていく。
また、リピーターが多い主力品番のL011(税込6490円=5900円+税)には、2021年秋冬の新色としてレンガハナガラを加える。
なお、今回の新製品も含めて「快歩主義」はすべて国産モデルとなっている。
【アサヒメディカルウォーク】――国産のメンズモデルにフィット感の調整がしやすい外羽根デザインWK M028が登場
「アサヒメディカルウォーク」は、アサヒシューズが2006年から展開している“ひざのトラブルを予防する”という、まったく新たな発想の機能を持たせたシューズ。
【アサヒメディカルウォーク】2点ともM028 2万6400円(税込=2万4000円+税)/SHM®機能を搭載したメンズの2021年秋冬新製品。8月発売予定。24.0~28.0㎝。㊧ダークブラウン、㊨ブラック
2021年秋冬シーズンは、国産メンズの新製品としてWK M028を加える。デザインは天然皮革(ソフトステア)アッパーの外羽根タイプ。現在、メンズの構成に不足していたフィット感の調整がしやすい外羽根タイプを、扱い店からのリクエストに応える形で加えたもの。カラーはベーシックなダークブラウンとブラックを用意している。
「アサヒメディカルウォーク」は、踵部に配置したスクリュー形状の「SHM®機能」により、ひざへの衝撃を分散吸収しやすい構造を持つ。このスクリュー構造は、踏み込むとつま先がやや外側に回旋し、歩行時のひざの安定から正しい歩行に導く。
踵に配置されたスクリュー構造のSHM®機能(オレンジ色の部分)がひざの正常な回旋運動を補助する
アサヒシューズでは、「アサヒメディカルウォーク」の展開について、ひざのトラブルを予防する「SHM®機能」を標準装備しながら、さまざまなシーンに合わせて履けるように、ラインアップを充実させている。
女性用では、国産モデルを中心に、極上の履き心地を追求したコンフォートタイプのWK L001やCC L004(2Eと4Eあり)からオンでも履けるコンフォートパンプスCC L013、メッシュアッパーのWK L003、レザースニーカータイプの1645、コンフォートスニーカーRW L011、トレーニングにも使えるTR L019など、デザインバリエーションを揃えている。
また、メンズではクッション性重視のWK M001や極上の履き心地を追求したCC M004、コンフォートスニーカーRW M006、レザースニーカータイプの2944、トレーニングにも使えるTR M020から、ビジネスにも使えるBS M001~M003などの国産モデルを揃える。
さらに海外生産モデル(女性用LF、MS-L、男性用MF、MS-C)を用意することで、価格にもバリエーションをもたせて購入しやすい提案も行っている。
【トップドライ】――積寒地対応の機能とデザインを両立させたTDY3988、シャープに見える内羽根タイプにリニューアルしたTDY3989のブーツに注目
「トップドライ」は、優れた防水耐久性と透湿性を兼備したゴアテックスファブリクスを採用した「濡れにくい」「蒸れにくい」「滑りにくい」シューズを提案している。
アサヒシューズでは、エレガンスタイプ、カジュアルタイプともにデザイン性を高めることで冬季や積寒地だけでなく、オールシーズン履ける提案を強化している。
【トップドライ】㊧TDY3988 1万8700円(税込=1万7000円+税)/2021年秋冬新製品。ボアとアイスウィナーソールの搭載で積寒地でも快適。カラーはオーク。9月発売予定。㊥TDY3989 1万8700円(税込=1万7000円+税)/2021年秋冬新製品。内羽根デザインとヒール付でスタイリッシュなブーツ。カラーはブロンズ。9月発売予定。㊨TDY3985 1万7600円(税込=1万6000円+税)/斜めにセットした機能的なファスナーが特徴。8月発売予定。2021年秋冬新色のワイン。サイズはすべて22.0~25.0㎝
2021年秋冬シーズンの新製品として、9月からの発売を予定しているのがTDY3988とTDY3989のブーツ。TDY3988は、筒口裏にボア材を使った、見るからに温かそうなブーツ。ベルトの採用で足首部のフィット感の調整ができる機能を持たせたうえ、ベルトを絞っても甲部に配したシャーリングによりシワが目立ちにくいデザインにしていることもポイント。
TDY3989は、長年販売してきたTDY3924を内羽根タイプにリニューアルしたことで、よりシャープでスタイリッシュなデザインに仕上げた。ヒールは約50㎜。
TDY3988には、最大9㎜厚という厚みたっぷりのPUスポンジをベースに、歩行に適した立体形状にした“ふんわりカップインソール”を搭載している。表面には抗菌・速乾素材を使用。通気性もあり、丸洗いすることもできる。
アウトソールについては、TDY3988は氷結路面で圧倒的なグリップ力を発揮するアイスウィナーソール、TDY3989は氷上を含むオールラウンド対応のミラクルウェーブソールを搭載している。
TDY3988には特殊ラバーに大量のガラス繊維を配合し氷上で強力な耐滑性能を発揮するアイスウィナーソール㊧、TDY3989とTDY3985には特殊ラバー+ガラス繊維の配合で氷上のほかマルチな防滑性能を持つミラクルウェーブソール㊥㊨を搭載している
また、2021年3月から発売して好評のTDY3985にはワインを追加する。外胛サイド部に、斜めにセットされたファスナー効果で足入れが良いうえ、ファスナーの開閉もスムーズ。ファスナー部の内側のデザインを工夫することで足あたりを軽減、ストレスなく履くことができる。ミラクルウェーブソール搭載。
また、海外生産のレザースニーカーには、可愛らしいデザインのTDY7303を加える。立体的な3D構造のウェーブ形状のアウトソールは、水はけ効果も高く、雨天時でも快適に歩ける。
ゴアテックスファブリクスは、無数の微細な孔を持つ極めて薄いフィルム状の素材であるゴアテックスメンブレンに高耐久性ライナーファブリクスを合わせたもの。ゴアテックスメンブレンの微細な孔は、水蒸気は通すが水滴は通さないため、外からの雨などの靴内への浸入を防ぐ一方、靴内の蒸れは靴の外に逃がすことができ、靴内環境を快適に保つことができる。
【アサヒフットケア】――糖尿病患者にも対応できるエビデンスを持つフットケアシューズとして9月から3型を発売へ
【アサヒフットケア】㊧AFC001、㊥AFC002、㊨AFC003 すべて8800円(税込=8000円+税)/2021年9月発売予定の新ブランド。糖尿病患者にも対応する究極のフットケアシューズ。001はホワイト、グレー、ブラック、002と003はホワイトとブラック。サイズは22.0~27.0、28.0㎝
アサヒシューズは、今年9月から新ブランド「アサヒフットケア」を発売する。同社は2012年2月から佐賀大学とメディカルシューズに関する共同研究を開始し、糖尿病患者やその予備軍に対応する「アサヒフットケア」を開発し、2019年からは佐賀大学プロジェクト研究所のメディカルシューズプロジェクトにおいて、試作品による臨床実験を実施してきた。
現在、日本には糖尿病が強く疑われる患者が約1000万人、予備軍も約1000万人いると言われ、その数は年々増える傾向にある。糖尿病では、足部の知覚障害が起こり、それが足潰瘍を形成し、最悪の場合は切断に至ることがある。
臨床実験によると、「アサヒフットケア」を履くと、歩行時の足底圧が「裸足や一般靴と比較して有意に減少する効果と有害事象が認められないこと」が解った。
同社は当初、糖尿病に焦点を当てたシューズの開発に取り組み、患者の負担にならない価格帯での展開と気軽に買える売り場での扱い、さらにスポーティで普通のシューズと変わらないデザインが欲しい、といった声を反映させるために試行錯誤を繰り返してきた。
そうしてつくり上げた商品は、昨年12月の発表後、その機能性とデザインに対して医師や看護師、介護業界はもちろん、一般靴店などからも反響があったことから、幅広い層が履ける究極のフットケアシューズとして、幅広い流通で展開していく方針。
「アサヒフットケア」は、靴の中で足が傷つけられることのないように、靴内部は縫い目や段差を極力なくしたシームレス構造とし、ライニングはフットケアの観点からあえて足に何か支障が起こった場合は汚れが目立つように白で統一している。
クッション性が高く、足の負担の少ないやわらか設計を施し、中足趾関節筋近位部にMGS(モーション・ガイド・スロープ=前額面に対し母趾球を低く、小趾球部を高くしたスロープ状の硬質ゴム製のバー)を設計し、理想的なあおり歩行をサポートする。
中足部に母趾部を低く、小趾部を高くしたスロープ状の硬質ゴム製のバー、MGS(モーション・ガイド・スロープ=写真のブルーの部分)を設計し、理想的なあおり歩行をサポートする機能を付加している
アッパーは速乾性に優れた素材を使ったうえ、洗濯機で丸洗いできる。さらに靴内には制菌加工(SEKのDIC121=一般用途)を施して、衛生面でもフットケアをサポートする。
デザインはシューレースタイプAFC001、リターンマジックタイプAFC002、ループタイプAFC003の3型で価格は8800円(税込=8000円+税)。カラーは、ホワイト、ブラックのほか、AFC001にはグレーを加えている。サイズは、22.0~27.0、28.0㎝。