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2024年04月27日

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イタリアの植物タンニンなめしによるタンナー2社(PIO DUSINI/ピオ・デゥジーニ、ITALPEL/イタルペル)がプレゼンテーション

イタリア大使館貿易促進部は6月20日(火)、イタリアタンナー合同展「“SUSTAINABLE TRADITION”PIO DUSINI & ITALPEL」を、東京・南青山の同貿易促進部展示ルームで開催した。この催しは、6月21~22日に開催されたイタリアタンナー2社の展示商談会に先立って、プレス等向けのプレビュー&プレゼンテーションとして行われたもの。


この催しに登場した1社は、1830年にトレンティーノ・アルト・アディジェ州で創業したソールレザー(靴底の革)に特化した老舗タンナーのPIO DUSINI(ピオ・ドゥジーニ)社。もう1社は、トスカーナ州を拠点に、中世・ルネッサンス期の革職人組合ギルドにさかのぼる植物タンニン鞣し専門のタンナーであるITALPEL(イタルペル)社。


■PIO DUSINI(ピオ・デゥジーニ)社
世界的高級靴ブランドにソールレザー(靴底の革)を供給する創業1830年の老舗タンナー――柔らかく水にも強いロードレザーが主力製品のひとつに


ピオ・ドゥジーニ社は、家族経営の会社で、7代目にあたる販売責任者のFrancesco Dusini(フランチェスコ・ドゥジーニ)氏が会社の概要などを説明した。190年以上前に小さな鞣し革工場として創業した、という長い歴史をもつ同社は、1924年に近代的な工場を立ち上げ、以来ずっと植物タンニンなめしの革を製造している。戦後はイタリア国内から世界へ市場を拡大してきた。1980年代末にカットレザーソールの製造開始を決め、マルケ州モンテグラナーロに新しい研究所を開設した。

ピオ・ドゥジーニ社の7代目にあたる販売責任者、Francesco Dusini氏

ドゥジーニ氏は、「ソールレザーの製品化には8週間以上の時間がかかる。主にメンズシューズに使われるソールレザーには、250㎏級の大きな牡牛(多くは南ドイツ産)の皮が必要で、牛の品種や育成環境等によって質が左右される。皮の部位によっても繊維質が異なるが主にバット(尻革)、そしてタンニンにはチェスナットが使われる」と説明した。


同社のレザーは、グッドイヤーウェルト製法で靴づくりを行うメーカーに評価されている。ノーマルレザーは靴メーカーに、オールドバークレザーは修理や靴職人など、ヴィンテージ感がある手づくりの風合いが求められる取引先に供給される。幅広い製品があり、革底にインジェクションでゴムを加えたものもあり、子ども用やレディス用も扱っている。製品は、イタリア国内への供給と輸出が半々で、年間350トン(1枚当たり4.5~5.0㎏換算で約7万枚)を供給している。

ピオ・ドゥジーニ社のソールレザー

主力製品のひとつであるロードレザーは、最新のなめし方法を駆使したドゥジーニ社の最高級レザーで、柔軟性があり、通気性を保ちながら特殊な加工により水分を吸収しにくいという特徴をもつ。ドゥジーニ氏は、「エンドユーザーは、エレガントなシューズでも底は柔らかいものを欲しがっていることから、需要が増している」と説明する。


また、化学物質の使用や排気ガス、廃棄物処理に関して厳しい基準を設けており、ICEC認定のECOレザーを製造している。さらに英国サトラ靴総合研究所のゴールドメンバーとなっている。これらにより、世界の名だたるクライアント、例えばチャーチ、プラダ、エルメス、トリッカーズ、ジョンロブ、ベルルッティ、チーニーなどから支持されている。「ラグジュアリーブランドの靴づくりでは、素材の安定性が重要で、そうした観点からも高い評価をいただいている」(ドゥジーニ氏)。


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