2020年は北海道にフォーカスしたサップランドシリーズがヒット
コロンビアスポーツウェアジャパンが展開する「コロンビア」のフットウェアは、コロナ禍による店舗の休業・営業時間短縮などの影響を受けているが、2020年秋冬シーズンは展開2シーズン目の「サップランド」シリーズが大きく成長した。
“サップランド”とは、「コロンビア」誕生の地であるアメリカ・ポートランドと、姉妹都市である札幌の名前を冠したシリーズで、2019年のファーストシーズンも好評だった。2シーズン目となった2020年秋冬は、プロモーションを北海道にフォーカスし、札幌中心にサップランド アーク ウォータープルーフ オムニヒートとサップランド アーク チャッカ ウォータープルーフ オムニヒートを軸に販売が伸び、ウインターシューズとしてのシェアを高めた。
プロモーションでは、地元のテレビ局でCMを放映し、情報番組でコロンビアショップが取り上げられるという流れができ、プロパー消化が進むとともに女性層への認知も高まった。札幌×ポートランドのネーミングも愛着をもって受け入れられ、札幌の女子カーリングチーム、北海道銀行フォルティウスを起用したプロモーションを展開したことで、本州にも効果が波及した。
2021年の「サップランド」はオムニヒートインフィニティ搭載モデルが登場
2021年秋冬シーズンのサップランドシリーズは、北海道から東北や北陸などの積寒地にプロモーションを拡大させる。アパレルとフットウェアで、体の熱を利用した熱反射保温テクノロジーであるオムニヒートをさらにレベルアップさせたオムニヒートインフィニティを訴求する。このテクノロジーは、2021年秋冬からグローバルで展開がスタートするが、同時に日本企画のシューズ(サップランドシリーズ)に搭載されるのは異例のこと。受注も予想を上回っており、ヒーローアイテムになると期待している。
サップランドシリーズは、オムニヒートを使わない秋から履けるオムニテック搭載モデルも投入し、すべてヴィブラムのアークティックグリップソールを搭載した全5型で、シーズンとエリアも拡大させていく。
「ホーソンレイン」にはスリッポンも加えバリエーション拡大
2021年はバリエーションが増えた「ホーソンレイン」シリーズが3月から順調に推移している。ホーソンレイン2 ウォータープルーフ、ホーソンレイン2 ロウ ウォータープルーフと、ヴィブラムのメガグリップソールを搭載したホーソンレイン2 アドバンス オムニテック、ホーソンレイン2 ロウ アドバンス オムニテックの展開に、スリッポンデザインのホーソンレイン スリップ ウォータープルーフ、アウトドアテイストのホーソンレイン リフト オムニテック、ホーソンレイン リフト ロウ オムニテックとバリエーションが拡大、フィールドを拡げるとともに知名度も増してきている。
登山需要は減っているなか、回復傾向にある日帰りの低山ハイクなどに対応するセイバー4 ミッド アウトドライは、コストパフォーマンスの高さもあってスポーツ量販店などで好調に推移している。このモデルは汎用性も高いため、キャンプシーンでのニーズも引き出している。
㊧ホーソンレイン リフト オムニテック 1万5400円(税込)、㊨ホーソンレイン リフト ロウ オムニテック 1万4300円(税込)/コーデュラテキスタイルとオムニテックメンブレンを使った防水アウトドアシューズ
㊧ホーソンレイン スリップ ウォータープルーフ 8250円(税込)/シリーズ初のスリッポン、㊨ヨンカラモック ウォータープルーフ 9900円(税込)/難燃加工素材を使ったモックスタイル
盛り上がりを見せるキャンプ需要に対応するモデルとしては、モックやスライドシューズのニーズが高まっており、ヨンカラモック ウォータープルーフ、スタンピアモック、ネステントモックⅡ、ヘイジーレイジー モック オムニテック、ヘイジーレイジー ミッド オムニテックなどの動きが良好だ。
4月からは、これらにコート系スニーカータイプのベイブスニーク アウトドライが加わり、販売を牽引した。これらは防水機能をもたせたシューズだが、見た目はスニーカーデザインのため、天候に左右されない晴雨兼用シューズとして人気となっている。
アウトドアブランドのウェアやシューズが日常生活に使われるのは、もはや当たり前のことになっている。それは、過酷なフィールドで使われることを想定した商品開発で培った技術が生かされているからに他ならない。「コロンビア」は、サップランドシリーズにオムニヒートやヴィブラムのアークティックグリップソールを搭載。セイバー4には雨や雪を最外層部でブロックする防水機能であるアウトドライ、ホーソンレインシリーズにもオムニテックやヴィブラムのメガグリップソールを搭載するなど、必ず機能軸を打ち出した商品を提案し、アウトドア発信のブランドとしての差別化を打ち出している。
㊧ヘイジーレイジー ミッド オムニテック 1万5400円、㊨ヘイジーレイジー モック オムニテック 1万2650円(税込)/オムニテックメンブレン搭載のミッドカットとモック
㊧スタンピアモック 6490円(税込)、㊨ネステントモックⅡ 3520円(税込)/オーストラリア在住のイラストレーター、ジョナス・クレアッソン氏とコラボレーションしてオレゴン州の大自然をイメージしたオリジナルグラフィックを落とし込んだ
秋冬はキャンプに寄り添った新ライン、チャケイピアにも注目
2021年秋冬、サップランドシリーズとともに軸商品となるのが、チャケイピからシリーズ名が変更されるチャケイピア。これまでは保温機能をもたせたブーツを展開していたが、コンセプトを秋から冬のキャンプに寄り添ったラインに設定し直し、ロゴも一新して訴求する。アイテムはオムニヒートを搭載しないものから、搭載したモデルまで提案する。キャンプ関連の需要が大きくなっていることから、コロンビアスポーツウェアジャパンではキャンプ場とミーティングを重ねつつ、啓蒙活動も行いながらニーズに合った商品を提供していく。
2021年秋冬シーズンは、サップランドとチャケイピアの2つシリーズを軸に、暖冬傾向にある気候のなかで、雪や寒さに頼らない商品構成も組んで、Q3(7月~9月)からしっかり販売していく。